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糖尿病で目や腎臓、神経が悪くなるのはなぜ?

生活習慣病  / 糖尿病

 

 

糖尿病で目や腎臓、神経が悪くなるのはなぜ?

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。

「血糖値が少し高いですね」と言われても、これといって症状がなく、
痛くもかゆくもないし、症状といった症状がない。

だからつい、「まだ大丈夫」と思ってしまう。

このようなことはありまませんか?

でも糖尿病の本当の怖さは、症状がないまま進むところにあったりするんです。

目、腎臓、神経。
これらが悪くなりやすいのが、糖尿病の怖いところなんです。

そこで今回のブログでは、糖尿病によって起こりえる網膜症、腎症、神経障害といった合併症について、書いてみたいと思います。

糖尿病の合併症の原因は
「血管の傷み」

糖尿病は血糖値が高い状態が長く続く病気です。
問題は、その高血糖が体の中で何をしているか、ということなんです。

血管の内側には「内皮細胞」という大切な細胞があります。
高血糖が続くと、余分な糖が細胞内に入り込み、AGEs(糖化最終産物)という物質が作られます。

 

これは糖がタンパク質にこびりついて変性したもの。いわば“体の焦げ”のようなものなんです。

AGEsは、

  • 血管を硬くする
  • 炎症を起こす
  • 酸化ストレス(細胞を傷つける反応)を強める

こうした変化を引き起こします。

さらに血管の壁(基底膜)が厚くなり、酸素や栄養のやり取りがスムーズにいかなくなる。
その結果、神経や網膜、腎臓が少しずつダメージを受けていってしまうんです。

DCCT試験やUKPDS試験といった大規模研究では、血糖コントロールが良いほど微小血管合併症が明らかに減ることが示されています。
つまり、血糖値の管理は、将来これらの臓器の機能障害を防ぐために、とても大切なことなんです。

The Diabetes Control and Complications Trial Research Group.
The effect of intensive treatment of diabetes on the development and progression of long-term complications in insulin-dependent diabetes mellitus.
New England Journal of Medicine. 1993;329(14):977–986.

UK Prospective Diabetes Study (UKPDS) Group.
Intensive blood-glucose control with sulphonylureas or insulin compared with conventional treatment and risk of complications in patients with type 2 diabetes.
Lancet. 1998;352(9131):837–853.

手足のしびれ 
糖尿病性末梢神経障害

足先から始まる理由

「足の裏がジンジンする」
「感覚が鈍い」
「左右同じようにしびれる」

それは糖尿病性末梢神経障害かもしれません。

神経は細い血管から酸素と栄養を受け取っています。
そこで、糖尿病の悪化によって血流が悪くなると、長い神経から傷み出すんです。
だから足先から左右対称に症状が出やすいんです。

進行すると、痛みに気づきにくくなります。
傷ややけどを放置し、感染や壊疽(組織が壊れる状態)につながることもありますので、注意が必要なんです。

目が悪くなる
糖尿病網膜症

見えているから安心、ではない

糖尿病網膜症は、日本で失明原因の上位です。

網膜(目の奥で光を感じる膜)の毛細血管が傷み、

  • 小さな出血
  • むくみ
  • 新生血管(もろい異常血管)

が起こります。

新生血管は破れやすく、出血を繰り返します。
それが視力低下につながります。

初期はほとんど自覚症状がありませんが、徐々に進行して、失明に至ってしまうこともある、注意が必要な合併症です。
だから年1回以上の眼底検査が大切になってくるんです。

腎臓が悪くなる
糖尿病性腎症

腎臓は沈黙の臓器

腎臓は血液をろ過する臓器です。
糸球体(血液のフィルター)は毛細血管のかたまりみたいな組織です。

なので、高血糖が続いてしまうと、

  • 糸球体基底膜の肥厚
  • メサンギウム細胞の増殖
  • 糸球体硬化

といった変化が起こります。

つまりフィルターが厚くなり、硬くなり、働きが落ちていってしまうんです。

尿検査が早期発見の鍵

糖尿病性腎症は段階的に進行します。

  1. 微量アルブミン尿
  2. 顕性蛋白尿
  3. 腎機能低下(eGFR低下)
  4. 末期腎不全

日本で透析導入の原因第1位が糖尿病性腎症です。
しかも初期は無症状なことがほとんどです。

糖尿病の合併症を防ぐために

血糖コントロール

血糖値を整える基本は、
食事・運動・薬物療法の3つです。

最近は、血糖値を下げるだけでなく、
腎臓や心臓を守る働きが期待できる薬も使われるようになってきました。

「血糖値の数字を下げるための治療」だけではなく、
将来の合併症を防ぐための治療というものが大切になってくるんです。

血圧・脂質管理

糖尿病は動脈硬化を進めます。
同じように動脈硬化を進めてしまう可能性がある血圧やコレステロールの管理も、同じように大切になってくるんです。

 

 

最後に

糖尿病は、「血糖値が高い」という数字そのものだけが問題なのではありません。

本当に怖いのは、高血糖が続くことで血管が傷み、
そこから網膜症・腎症・神経障害といった合併症が起こることです。

だからこそ、症状がなくても早い段階からきちんと管理していくことが大切になってくるんです。

名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックでは、糖尿病をはじめとした高血圧・脂質異常症などの生活習慣病の診療に力を入れています。

「血糖値が少し高いと言われた」
「健診で生活習慣病を指摘されたけれど、どうしたらいいか分からない」
そんな段階でも大丈夫です。

数字をただ下げるのではなく、将来の合併症を防ぐことを見据えながら、一人ひとりに合った管理を一緒に考えていきたいと思います。

気になることがあれば、ぜひ一度当院までご相談ください。

記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)

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