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抗インフルエンザ薬のまとめ2025年版 ~タミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタ・ゾフルーザの特徴

一般内科

こんにちは。名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。今回は、2025年時点で使われている5つの代表的な抗インフルエンザ薬(タミフル・リレンザ・イナビル・ラピアクタ・ゾフルーザ)について、特徴や使い分けをわかりやすくまとめてみたいと思います。

「薬の違いがよく分からない」「子どもでも飲めるの?」「どの薬が早く効くの?」といった質問を外来でもよくいただきます。そんな疑問に対して、わかりやすく解説をしていきたいと思います。


抗インフルエンザ薬とは?

インフルエンザは、突然の高熱、強い倦怠感(だるさ)、関節痛、咳などを伴う感染症です。抗インフルエンザ薬は、ウイルスの増殖を抑えることで症状を早く和らげ、重症化を防ぐことを目的に使われます。ただし、服用開始のタイミングは、発症から48時間以内が基本となります。なので、できるだけ早めに受診して検査を受けていただくことが大切だと思います。

治療薬のタイプ

  • ノイラミニダーゼ阻害薬(タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ)
  • キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬(ゾフルーザ)

この2つのタイプが現在の主流です。それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。


タミフル(オセルタミビル)

最もよく使われる内服薬です。カプセルやドライシロップ(粉薬)があり、子どもから大人まで幅広く使用できます。1日2回、5日間内服する必要がありますが、飲みやすさと安定した効果が特徴です。

臨床現場では「小さなお子さんに処方するケース」が多く、親御さんからは「粉薬なら安心して飲ませられる」と言われることがよくあります。副作用としては吐き気や下痢が見られることもありますが、重い副作用はまれです。


リレンザ(ザナミビル)

吸入タイプの抗インフルエンザ薬です。1日2回、5日間吸入する必要があります。のどや気道に直接薬が届くため、効果はしっかりあります。

ただし、吸入器の使い方を理解する必要があるため、小さな子どもや高齢の方にはやや使いにくいことがたまにあります。実際の診療では「器用に吸えるか人かどうか」を見極めながら処方するようにしています。


イナビル(ラニナミビル)

同じく吸入薬ですが、リレンザと違って1回吸入するだけで治療が完結するのが最大のメリットです。「薬を毎日続けるのが大変」という方にとっては、とても便利な薬です。

実際、学生さんや忙しい社会人の方からは「一度で終わるのが助かる」という声をよくいただきます。ただし、吸入がうまくできないと効果が十分に出ないこともあるので、使用前にしっかり指導をうけてもらうことが必要となります。


ラピアクタ(ペラミビル)

点滴で投与する薬です。1回の点滴(15〜30分程度)で治療が完了します。内服や吸入が難しい方、たとえば高熱でぐったりして薬を飲めない方や高齢者施設での集団感染時などに使われることが多いです。


ゾフルーザ(バロキサビル)

2018年に登場した新しいタイプの薬で、内服は1回だけで完結します。作用機序が他の薬と違い、ウイルスの増殖初期段階を抑えるのが特徴です。

とても便利な薬ですが、耐性ウイルスの出現が報告されていたりもするので、年齢や重症度によっては第一選択とされないこともあります。


抗インフルエンザ薬の選び方

どの薬が良いかは、年齢や体の状態、生活環境によって変わります。


まとめ ~安心して治療を受けるために~

抗インフルエンザ薬にはそれぞれ特徴があり、患者さんの年齢や体調、生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。タミフル、リレンザ、イナビル、ラピアクタ、ゾフルーザの5種類はいずれも有効ですが、「どの薬が一番良いか」は人によって違うんです。

元八事ファミリー内科クリニックでは、発熱の患者に対しても、しっかりと対応させていただきます。発熱患者用の個室も用意していますので、突然熱を出したり体調がすぐれないときには、ぜひ早めにご相談ください。安心して治療を受けていただけるよう、ぜひサポートさせていただきたいと思います。