- 喉の痛み
- 喉の痛みの原因にはどのようなものがあるのか
- 喉が痛く熱はないときに考えられること
- 喉の痛みは自然に治る?放置するとどうなる?
- 重篤な病気のサインである場合も
- 喉が痛いときにおすすめの食べ物について
- 受診の目安と医療機関で行う対応
- まとめ
喉の痛み
喉がヒリヒリと痛む、飲み込むときに違和感がある、朝起きたときに喉が乾いて声が出しづらい。こういった「喉の痛み」は、日常的によくある症状のひとつです。喉の痛みは、単なる風邪による一過性の炎症から、感染症やアレルギー、さらには生活習慣の影響まで、幅広い可能性があります。痛みの強さや持続期間、他の症状との組み合わせによって、考えられる疾患が異なってきます。
喉の痛みの原因には
どのようなものがあるのか
喉の痛みは、咽頭(のど)や喉頭(声帯周辺)に何らかの刺激や炎症が加わった際に生じる感覚です。最も多い原因はウイルスや細菌による感染ですが、近年ではアレルギー性や乾燥、声の酷使などによる非感染性の要因も増加しています。以下では代表的な原因を分類し、それぞれの特徴についてご紹介します。
風邪(上気道炎)
最も一般的な原因が、ウイルス感染による上気道炎、いわゆる風邪です。喉の痛みはその初期症状として現れることが多く、鼻水やくしゃみ、微熱、倦怠感などを伴うことが一般的です。通常は自然に軽快していきますが、高齢者や免疫力の低下した方では長引く場合もあるので注意が必要です。
急性咽頭炎・急性扁桃炎
喉の粘膜に炎症が強く起こると、激しい喉の痛みが出現します。特に扁桃炎では、飲み込むときの激痛や発熱を伴うことが多く、口を開けると白い膿が付着していることもあります。原因としては溶連菌などの細菌感染が関与していることがあり、必要に応じて抗菌薬の投与が検討されます。
インフルエンザ・
新型コロナウイルス感染症
季節性のインフルエンザや近年の新型コロナウイルスでも、喉の痛みは重要な初期症状の一つです。高熱、関節痛、強い倦怠感などを伴う場合には、これらの感染症を疑う必要があります。感染力が強く、周囲への広がりを防ぐためにも、早めの受診と適切な対応が求められます。
アレルギー性鼻炎・後鼻漏
アレルギーが原因で鼻の奥に炎症が起こると、分泌物(後鼻漏)が喉に流れ込み、慢性的な刺激となって喉の違和感や軽度の痛みを引き起こすことがあります。特に花粉症やダニ・ハウスダストによるアレルギー体質の方に多く見られます。咳や痰、喉のイガイガ感なども同時に見られることがあります。
声帯の酷使・喉の乾燥
大きな声を出す職業(教師、接客業、歌手など)の方では、喉の酷使によって声帯が炎症を起こし、痛みや声がれが生じることがあります。また、乾燥した空気やエアコンの長時間使用、喫煙習慣なども、喉の粘膜を傷つけて痛みを引き起こす要因となります。加湿や水分補給、喫煙習慣の見直しなど、日常生活の工夫をすることが大切になってきます。
逆流性食道炎
胃酸が食道を逆流し、喉の奥まで上がってくることで、持続的な喉の違和感や痛みを引き起こすことがあります。胸やけや酸っぱいものがこみ上げるような感覚がある方は特に、胃酸の逆流を疑っていく必要がありますが、喉の違和感や痛みだけが症状の場合もあるので、注意が必要です。
喉が痛く熱はないときに
考えられること
喉に痛みがあるのに熱が出ない場合、ウイルス性の軽い風邪や乾燥、声の出しすぎ、アレルギー、胃酸の逆流(逆流性食道炎)などが考えられます。また、空気中のほこりや煙、冷房による刺激でも喉に違和感を覚えることがあります。発熱がないからと安心せず、痛みが長引くようなら早めの受診が安心です。
喉の痛みは自然に治る?
放置するとどうなる?
軽度の喉の痛みは、数日で自然に回復することもありますが、炎症が続く場合や声のかすれがひどい場合は注意が必要です。放置してしまうと、慢性的な咽頭炎や声帯ポリープ、場合によっては細菌感染が悪化することもあります。治りが遅い、繰り返す、飲み込むと強く痛むなどの症状がある場合には、早めに一度ご相談ください。
重篤な病気の
サインである場合も
ごく稀ではありますが、喉の痛みが数週間にわたって続く場合や、食事が摂れないほどの強い痛み、血痰や体重減少を伴う場合は、喉頭がんや咽頭がんなどの重大な病気が潜んでいる可能性もあります。慢性的な症状の継続や、繰り返す違和感がある場合は、早期の医療機関受診が大切です。
喉が痛いときに
おすすめの食べ物について
喉の痛みは、食事や会話がつらくなるだけでなく、体全体の不調にもつながります。まずは日々の食事に「喉をいたわる食材」を取り入れてみるといいと思います。以下の4つは、昔から親しまれてきた身近なケア食材になります。
ハチミツ
喉の表面にやさしく膜をつくり、乾燥や刺激から守ってくれる、「食べる保湿材」です。そのまま舐めたり、ぬるめのお湯に溶かして飲むのもおすすめです。
大根
すりおろすことで酵素や辛み成分が活性化し、喉の奥の違和感にじんわり作用します。ハチミツと合わせることで、自然な甘さと穏やかな刺激が心地よく喉に届きます。
生姜(しょうが)
身体を内側から温めて血流を促し、喉の炎症を和らげる手助けになることが期待できます。すりおろして湯に加えたり、スープや煮物に少量入れると効果的です。
ネギ
ネギは喉を守る食材として昔から親しまれています。特に緑の部分にはビタミンCが多く含まれ、喉の粘膜をうるおしながら外敵からの刺激を和らげてくれます。
受診の目安と
医療機関で行う対応
次の項目に該当するようなことがあれば、医療機関への受診が勧められます。
- 痛みが3日以上続いている
- 高熱を伴っている
- 飲食が困難なほどの痛みがある
- 呼吸がしづらい、声が枯れて出にくい
- 咳や痰、鼻水などの症状が悪化している
- 何度も同じ症状を繰り返す
まとめ
喉の痛みは、誰もが経験する身近な症状ですが、その背景にはさまざまな原因が隠れている可能性があります。自己判断で市販薬を使い続けるだけでは、症状が長引いたり、見逃してはいけない病気を放置することにもなりかねません。なので、症状が長引く場合や悪化する傾向があるときは、ぜひ一度ご相談ください。