便秘について
2025.08.25
こんにちわ。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。便秘とは、本来スムーズに出るはずの便が、量や状態、排便のしやすさなどが悪化し、不快感を伴う状態を指します。ただ単に「出る回数が少ない」だけではなく、「すっきりしない」「強くいきまないと出ない」「残便感がある」などの症状がある場合にも、便秘として扱われることが多いです。
便秘はどうして起きる?原因別に簡潔に解説
器質性便秘(病気が原因のタイプ)
大腸がん、腸の内腔が狭くなる:狭窄(きょうさく)、直腸の構造異常など、腸そのものに物理的な異常がある場合に起こります。この場合、生活習慣の改善だけでは解消が難しいので、医療機関での診断や治療が必要となってきます。
機能性便秘(生活習慣や腸の働きによるタイプ)
最も多いタイプで、「腸の動き(ぜん動運動)が弱い」「生活リズムの乱れ」「水分摂取不足」「食物繊維不足」「ストレス」などが原因となります。
知っておきたい!便秘の主な症状
- お腹の痛みや腹部の張り、ガスがたまる感覚
- 排便時に強くいきむ必要がある
- 残便感がある、排便に時間がかかる
- 週に2回以下の排便ペースや、すっきりしない便通
便秘に対してできるセルフケア
規則的な生活と排便リズムづくり
- 朝食をしっかり取り、胃–大腸反射を促す → 朝から腸を動かす、ということが大切です
- 起床後に白湯や常温の水を飲む → 水分を取るという事が大切です
- ひざを少し高めにして自然な排便姿勢を取る → トイレに足台を置くと、少し膝が高くなり、解剖学的に便が出やすくなります
食生活を見直す:水分・食物繊維・発酵食品
- 水分:1.5〜2Lを目安にこまめに補給(白湯や水がおすすめ)→水分をとることで便が柔らかくなります
- 食物繊維:水溶性と不溶性をバランスよく(ごぼう、キノコ、果物など)
- 発酵食品:納豆、ヨーグルト、漬物などで腸内環境を整える
適度な運動・マッサージ・ツボ刺激
- 軽いウォーキングなどの有酸素運動をすることで、腸の動きが促されます
- お腹を時計回りに「の」の字でマッサージをすることも、効果的です
改善しない時は、早めに専門医へ
セルフケアをしても改善が見られない場合や、以下のような症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。
- 激しい腹痛や吐き気、体重減少、血便がある
- 大腸がんや甲状腺機能異常など、器質的な原因が疑われる場合
まとめ:あなたに合った快便習慣を見つけよう
便秘は、ちょっとした生活習慣の見直しで改善できることも多いです。まずは、自分の便通リズムや症状の変化を把握して、朝の食事や水分補給、自然な排便姿勢などを心がけましょう。食物繊維や発酵食品を取り入れたバランスの良い食生活、軽い運動やお腹のマッサージなども腸の働きを助けます。それでも改善が見られない場合や、腹痛・血便・体重減少などの症状がある場合は、早めに専門医へ相談することが大切です。