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①普通の風邪・②インフルエンザ・③新型コロナウイルス感染症の、「違い」と「共通点」

呼吸器 その他

季節が変わると増えてくる「発熱・咳・痰・のどの痛み」。これが単なる風邪なのか、インフルエンザなのか、新型コロナなのか、迷う方は多いと思います。そこで今回は、2025年9月時点での最新情報をふまえ、それぞれの特徴や違い、隔離期間の目安について、わかりやすくまとめました。ご自身やご家族の健康管理にぜひ役立ててください。

共通する症状と違い

共通点

3つの病気はいずれも「ウイルスによる呼吸器感染症」です。そのため、発熱・咳・のどの痛み・鼻水・全身のだるさ・体の節々の痛み、などといった症状が共通して見られます。特に流行期には、症状だけで見分けるのは難しいのが現状だと思います。

普通の風邪の特徴

いわゆる「風邪」はライノウイルスやコロナウイルス(従来型)など、多くの種類のウイルスによって起こります。
・発熱しても37〜38℃程度にとどまることが(一般的には)多い
・全身症状は軽め(のことが多い)
・自然に治るケースがほとんど

数日で軽快し、重症化することはまれです。

インフルエンザの特徴

インフルエンザウイルスによる感染症で、毎年冬に流行します。
・急に38〜40℃の高熱が出る
・強い倦怠感、関節痛、筋肉痛を伴いやすい
・子どもや高齢者では合併症(肺炎や脳症)に注意が必要

治療薬(抗インフルエンザ薬)があり、発症から48時間以内の服用が効果的です。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の特徴

2020年以降、社会全体に大きな影響を与えてきた感染症です。現在は「ニンバス」という変異株が主流で、
・発熱、咳、のどの痛み
 (特に、「のどがカミソリで切られるように痛い」と比喩されるように、咽頭痛が強めに出るのが現在の変異株の特徴のようです)
・嗅覚・味覚障害は減少傾向
・軽症〜中等症が大半だが、高齢者や持病のある方は重症化リスクあり

インフルエンザに比べて発症がゆるやかで、熱が長引くこともあります。

感染力と流行の時期

風邪

一年を通じて発生します。特に季節の変わり目や冬場に増加しますが、流行の規模は小さめです。

インフルエンザ

例年12月〜3月に大流行します。感染力が非常に強く、学校や職場で一気に広がるのが特徴です。

新型コロナ

ここ数年は夏と冬に流行の波が見られています。感染力が非常に高く、同居家族や職場内で広がりやすい点が特徴です。

隔離期間の目安

風邪

軽症で自然に治るため、特別な隔離は不要です。ただし熱がある間は無理せず休養し、他人にうつさないよう咳エチケットを守りましょう。

インフルエンザ

学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」は出席停止とされています。職場でもおおむね同じ基準が目安になります。

新型コロナ

2025年現在は発症日を0日として5日間の外出自粛が推奨されています。熱が下がって体調が改善していれば6日目から外出可能ですが、発症から10日間は、感染性が完全に消えているわけではないので、マスクの着用や高齢者との接触を避けるなどの配慮が望まれます。

検査と診断の違い

  • 風邪: 特別な検査はなく、症状や経過から診断されます。
  • インフルエンザ: 発症12時間以降に行う迅速抗原検査が一般的。
  • 新型コロナ: PCR検査、抗原検査が利用可能。比較的発症初期から検出されやすい。

予防法とワクチン

風邪

ワクチンは存在しません。手洗い・うがい・規則正しい生活が基本です。

インフルエンザ

毎年流行株に合わせたインフルエンザワクチンが登場します。特に高齢者や基礎疾患を持つ方には強く推奨されます。

新型コロナ

定期的なワクチン接種が行われており、重症化予防に有効です。高齢者や持病のある方は接種を検討しましょう。

まとめ

普通の風邪・インフルエンザ・新型コロナはいずれも呼吸器に症状を起こすため、区別がつきにくいのが特徴です。しかし、発熱の程度・全身症状の強さ・流行の時期・隔離期間の違いを知っておくと判断の助けになります。症状が強い場合や長引く場合は、自己判断せず医療機関を受診してください。元八事ファミリー内科クリニックでも、インフルエンザや新型コロナの検査・治療に対応しています。体調に不安を感じたら、早めにご相談ください。