息苦しさを和らげる!COPDに効果的な呼吸法!
COPDとはどんな病気?
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、長期の喫煙習慣などが原で肺の構造が壊れて、空気の通り道が狭くなって呼吸機能が徐々に低下していく病気です。息切れや慢性的な咳、痰が続くのが特徴で、進行すると日常生活のちょっとした動作でも呼吸が苦しくなることがあります。 特に息を「吐き出しにい」のがCOPDの大きな特徴で、肺に空気が溜まってしまう、肺の過膨張という現象が起こることによって、呼吸がしづらくなります。
COPDと他の病気の咳の違い
咳は多くの病気で見られますが、COPDの咳には独特の傾向があります。
風邪や気管支炎では、一時的に強い咳が出るけど数週間で改善傾向になることが多いのに対して、COPDの咳は、「長く続く慢性的な咳」であることが特徴です。また、痰を伴うことも多く、喘息のように夜間や早朝に強く出るというよりは、一日の中で持続的に咳や痰が出やすい傾向があります。このように咳の出方の違いを理解することは、症状を見分ける手がかりになります。
COPDに効果的な呼吸法
COPDの症状を和らげるためには、もちろん吸入薬を中心とした薬物療法が大事になってきますが、薬による治療と並行して、COPD患者向けの「呼吸法」を取り入れることも、同じくらい大切です。そこで今回は、COPD患者に効果的な、代表的な方法をいくつかご紹介していきたいと思います。
① 口すぼめ呼吸(リップパースブリージング)
鼻から息を吸い、口をすぼめて「ろうそくの火を吹き消すように」ゆっくり吐き出す方法です。
強く吐こうとせず、少しずつ長く吐き出すことで気道の閉塞を防ぎ、肺に溜まった空気を排出しやすくする効果があります。
階段を上る前や息切れを感じたときに役立ちます。
② 腹式呼吸
仰向けに寝て片手をお腹に置き、鼻から息を吸ってお腹が膨らむのを感じます。
その後、口をすぼめながらゆっくりとお腹をへこませるように息を吐きます。
腹式呼吸を覚えることで横隔膜をしっかり使えるようになり、呼吸効率を高めることができるようになります。
③ 姿勢を工夫する呼吸法
呼吸が苦しいときは「三角座り(前傾姿勢)」がおすすめです。椅子に座り、両肘を太ももに置いて少し前かがみになります。
この姿勢によって、呼吸筋が働きやすくなり、息苦しさを軽減することが期待できます。
④ ペース呼吸(活動時の工夫)
歩行や階段昇降の際には、動作に呼吸を合わせる「ペース呼吸」が有効です。
例えば「1段で吸い、2段で吐く」とリズムを意識することで、活動中の息切れを抑える効果が期待できます。
呼吸法を生活に取り入れるポイント
COPDに対しての呼吸法は、朝の起床時や就寝前、散歩のときなど、自分の生活に合わせて無理なく続けることが大切です。
特に痰が出やすい朝方に呼吸法を取り入れると、気道がすっきりして日中の活動が楽になる効果が期待できます。
日常のちょっとした工夫が、呼吸の負担を軽くする助けとなることもあるんです。
まとめ
COPDは息切れや慢性的な咳により生活の質を下げやすい病気ですが、適切な呼吸法を実践することで、日常生活を今より快適に過ごすことができます。特に「口すぼめ呼吸」や「腹式呼吸」は、簡単で効果的な方法なので、広く推奨されています。薬物療法に加え、これらの呼吸法を習慣化することが、息切れを減らしたり、活動性の向上につながることもあるんです。COPDによる息切れを自覚されている方は、ぜひこれらの呼吸法を、一度実践してみてください。