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がんを予防する5つの生活習慣

一般内科

がんを予防する5つの生活習慣

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。みなさんは、「がんにならないためにはどうしたらいいのか?」ということを考えたことはありませんか?がんは誰にでも起こり得る病気なので、100%避ける、ということは現代医学では残念ながら無理なのですが、実は生活習慣を見直すことで、そのリスクを下げることは、できるんです。実際に、生活習慣や感染が原因とされるがんは、男性の約4割、女性の約3割を占めるといわれています。つまり、逆を言えば、がんについても「ある程度は」自分でリスクを下げることはできる、ということなんです。そこで、今回のブログでは、「がんを予防するために取り組むべき、5つの生活習慣」について、できるだけわかりやすくご紹介していきたいと思います。

1. 禁煙は“最も効果的”ながん予防

まず何よりも大切なのは、たばこを吸わないことです。
喫煙は肺がんだけでなく、喉頭がん・膀胱がん・胃がん・大腸がん・膵臓がんなど、多くの臓器のがんリスクを上げます。実際、長年たばこを吸っていた方が、健診などで肺がんが見つかるケースは少なくありません。たばこの依存性は非常に強く、「わかっていてもやめられない」という方も多いです。その際には、ぜひ禁煙外来を利用してみてください(ただし、チャンピックスという薬剤については、現在出荷停止中なので、ニコチン置換療法のみとなります)。ご自身の健康のため、そしてご家族を受動喫煙から守るためにも、ぜひ禁煙に取り組んでみてください。

2. アルコールはできるだけ控えめに

「少しの飲酒なら体に良い」と思われがちですが、がん予防の観点からは“できるだけ飲まない”方が望ましいです。
アルコールは、口腔がん、食道がん、肝がん、大腸がん、乳がんなどのリスクを高めることがわかっています。厚生労働省のガイドラインでも、エタノール(純アルコール)量として1日20g以下が推奨されています。これはビール中瓶1本、日本酒1合程度です。毎日のようにお酒を飲む習慣は、少しずつでも減らしていくのが理想だと思います。癌とは違いますが、実際に肝機能の異常で受診された方の中には、「お酒を控えたら数値が改善した」「体が軽くなった」という方も多くいらっしゃいます。週に数日は“休肝日”をつくるだけでも、がんのリスクを下げる第一歩になるのではないかと思っています。

3. バランスの良い食生活を心がける

食生活は、がん予防に直結します。
塩分を摂りすぎる食事や、野菜・果物の不足、熱すぎる飲み物の摂取は、胃がんや食道がんなどのリスクを高めることが知られています。

食事で気をつけたいポイント

  • 塩辛い食品や加工肉を控える
  • 野菜・果物を1日350g以上摂る
  • 熱い飲み物・汁物は少し冷ましてから飲む

特にピロリ菌感染による胃がんリスクは、塩分摂取と関連して高くなる傾向があります。
ピロリ菌が陽性だった場合は、除菌治療を行うことで胃がんの発生率を下げることができます。

4. 体を動かす習慣をつける

運動には、がんの発生を防ぐ効果があります。
特に大腸がん、乳がん、子宮体がんでは、身体活動量が多い人ほどリスクが下がることが確認されています。
WHO(世界保健機関)は、「息が軽く上がる運動を週150分以上」または「息がしっかり上がる運動を週75分以上」を推奨しています。
これらの運動の量を確保するのは、難しいと感じる方も多いかと思います。もし難しく感じる場合には、まずは「今より10分多く動く」ことからでもいいので、始めてみてください。

5. 適正体重を維持する

太りすぎも、痩せすぎもがんのリスクを高めることが知られています。
特に肥満は、大腸がん、乳がん、子宮体がん、肝がんなどとの関連が指摘されています。

BMIで簡単チェック

BMI(体格指数)= 体重(kg) ÷ [身長(m) × 身長(m)] で計算できます。
18.5〜25の範囲が「適正体重」とされています。

実際の診療でも、体重を3〜5kg落としただけで血圧や血糖が安定し、全身状態が良くなる方を多く見ています。
無理なダイエットではなく、「バランスのとれた食事+適度な運動」で自然に体重を整えるのが大切なんだと思います。

がん予防のために、感染症にも注意を

意外と見落とされがちですが、「感染」もがんの大きな原因になります。
特に、B型・C型肝炎ウイルス、ピロリ菌、ヒトパピローマウイルス(HPV)などは、特定のがんと深く関係しています。

  • B型・C型肝炎ウイルス → 肝がん
  • ピロリ菌 → 胃がん
  • ヒトパピローマウイルス(HPV) → 子宮頸がん

これらは、血液検査や便検査で調べることができます。感染が確認された場合は、除菌やワクチンなどの治療・予防法があります。

まとめ:がん予防は「今日の生活」から始められる

がん予防というと大げさに感じるかもしれませんが、実は「たばこを吸わない」「お酒を控える」「体を動かす」といった日常の積み重ねが、最も効果的なんです。健康診断の結果で不安がある方、生活習慣を見直したい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

名古屋市天白区(地下鉄塩釜口駅、八事駅から車で5分、八事東小学校から南に250m)の元八事ファミリー内科クリニックでは、生活習慣病の管理、呼吸器内科専門外来など、幅広く対応しています。ちょっとしたことでもいいので、ぜひご相談いただければと思います。