健診で「クレアチニンが高い」と言われたら?
元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。健診や病院での血液検査の中には、「クレアチニン」という項目があります。このクレアチニンという言葉は聞き慣れないかもしれませんが、これは腎臓の働きを調べる大切な指標の一つになります。腎臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれているほど、普段は自覚症状が出にくいため、健診などで行った血液検査での異常が最初のサインになることもあります。そこで今回のブログでは、「クレアチニンが高いと言われたときにどう考えればいいか」について、わかりやすく解説していきたいと思います。
クレアチニンとは?
クレアチニンは、筋肉の活動によって自然に生まれる老廃物です。本来は腎臓がフィルターの役割を果たし、尿として体の外へ捨ててくれます。ところが腎臓の働きが悪くなってくると、血液の中にクレアチニンが溜まり、血液検査で数値が高くなってきてしまうんです。つまり「クレアチニンが高い=腎臓のろ過機能が落ちている可能性がある」ということを意味します。
健診でクレアチニンが高いと言われる人の特徴
健診でクレアチニンが高いと指摘される方には、以下の項目が当てはまることが多いです。
- 高血圧や糖尿病を持っている方…生活習慣病は腎臓に負担をかけ、慢性腎臓病(CKD)につながります。
- メタボリックシンドローム傾向の方…内臓脂肪が多いと血圧や血糖値が上がりやすく、腎臓に影響が出やすいです。
- 高齢の方…年齢とともに腎機能は自然に低下し、健康そうでも数値が高く出ることがあります。
- 筋肉量の多い方…スポーツをしている人は老廃物が多く、数値が高めに出ることがありますが、この場合には必ずしも病気ではありません。
クレアチニンが高いときに考えられる病気
数値が高いときに背景にある可能性のある代表的な病気は次のとおりです。
- 慢性腎臓病(CKD)
- 急性腎障害(脱水や薬の副作用など)
- 糖尿病や高血圧による腎症
クレアチニンが高いときに必要な検査
クレアチニンの数値だけで腎臓の状態を正確に判断することはできません。そのため以下の検査を行います。
- eGFR(推算糸球体濾過量)…腎臓のろ過能力を数値化したもの。
- 尿検査…尿タンパクや潜血の有無を確認。
- 腹部エコー…腎臓の形や大きさを調べる。
放置するとどうなるの?
「ちょっと高いだけだから」と放置してしまう方もいますが、腎臓病は気づかないうちに進行します。慢性腎臓病が悪化すると、最終的に人工透析が必要になる場合も出てきてしまい、その際には生活の質が大きく変わってしまうため、早めの対応が大切なんです。
生活習慣でできる工夫
腎臓を守るためには、日常生活での工夫が欠かせません。私がよく外来で患者さんによくお伝えしているのは次のような点です。
- 塩分を控える(1日6g未満が目安)
- 水分をしっかりとる(ただし心不全や浮腫がある場合は医師に確認)
- 血圧・血糖の管理を丁寧に
- 過剰なタンパク質摂取を避ける
- 定期的な健診を受ける
当院でできるサポート
元八事ファミリー内科クリニックでは、総合内科専門医として幅広い視点から腎機能の評価を行い、必要に応じて専門提携医療機関(名古屋記念病院、新生会第一病院、2日赤病院など)とも連携しています。「健診でクレアチニンが高いと言われた」「腎臓が悪いのか不安」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
クレアチニンが高いという結果は、そのまま放置せずに原因を調べ、生活習慣の見直しや適切な治療を受けることが大切だと思います。なので、健診で指摘を受けた方は、ぜひ一度お気軽に当院までご相談ください。