エアコンと喘息の関係
エアコンと喘息の関係
夏になると欠かせないエアコンについてですが、実は夏になると呼吸器内科外来のところには「冷房を使い始めてから咳が増えた」「エアコンにあたるとゼーゼーしたり、息苦しくなる」という相談が毎年増える印象があります。
エアコンは、酷暑が続く真夏を快適に過ごすためには必要な一方で、喘息の症状を悪化させる原因になる原因にもなり得るんです。そこで今回は、喘息をお持ちの方に向けて、エアコンを安心して使うためのポイントについて、元八事ファミリー内科クリニックの見解をご紹介していきます。
エアコンが喘息に与える影響
エアコンは室内を快適な温度に保つ一方で、長時間の使用や間違った使い方によって、喘息症状を悪化させることがあります。
特に、以下のような影響が報告されていたりします。
- 室温や湿度の急激な変化で気道が刺激される
- 内部にたまったカビ・ダニ・ホコリが空気中に拡散してしまう
- 換気不足によるシックハウス症候群のリスクがある
エアコン内部はアレルゲンの温床に
掃除を怠ったエアコン内部には、ダニの死がいやフン、カビの胞子、ハウスダストなどが蓄積します。
特に、梅雨〜夏は高温多湿のためカビが繁殖しやすく、冷房を実際に使用する際に、空気中へ放出されてしまいます。これらを吸い込むことで、気管支の炎症や喘息発作を引き起こすことがあり得るんです。
喘息にやさしいエアコンの選び方
喘息をお持ちの方がエアコンを購入・使用する際は、次の機能をチェックしましょう。
1. 高性能フィルター(HEPAなど)
花粉やPM2.5、ダニなどの微細な粒子を効率よく除去できます。フィルターはこまめに掃除または交換することは、大切なことです。
2. 湿度調整機能
理想的な湿度は50〜60%です。乾燥していると、気道の粘膜を刺激し、湿気が多すぎると(過湿)カビやダニを増やしてしまうので、適度な湿度に保つということが大切です。
3. 抗菌・防カビ機能
UVランプや抗菌コート付きエアコンは、内部の菌の繁殖を抑えてくれる効果が期待できます。
4. 空気質センサー
温度・湿度・PM2.5などを感知し、自動で最適な環境を保ちます。
湿度と喘息症状の関係
湿度の管理は喘息コントロールに欠かせません。理想値から外れると、症状が悪化してしまうリスクが高まります。
安全に使うためのメンテナンス習慣
高機能なエアコンも、メンテナンスを怠れば逆効果です。
そこで、以下のような習慣を取り入れることを、お勧めしたいと思います。
フィルター掃除は月1回以上
ホコリが詰まっていると、アレルゲンが拡散してしまう原因になってしまいます。なので、月に1回くらいを目安に、定期的にフィルターのお掃除をするようにしてみてください。
内部クリーニングは年1回
業者による分解洗浄を年に1回程度依頼することも大切です。そうすることで、内部のカビや菌を徹底的に除去する効果が期待できます。
換気を忘れずに
冷房中でも1時間に数分くらい窓を開け、新鮮な空気を取り入れましょう。
まとめ
エアコンは、使い方次第で、喘息の症状を和らげることも悪化させることもあります。
大切なのは「正しい機能選び」「適切な湿度管理」「こまめなメンテナンス」です。
元八事ファミリー内科クリニックでは、生活環境と症状の関係を踏まえて、患者さんに合った改善方法をご提案していきたいと思います。夏を安心して過ごすために、ぜひエアコンとの付き合い方をぜひ見直してみてください。