ABI検査とは?動脈硬化を見つける大切な検査
ABI検査とは?動脈硬化を見つける大切な検査
こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
みなさん「ABI検査(足関節上腕血圧比検査)」をご存じでしょうか。ABIは、両腕と足首の血圧を同時に測定して、その比率を調べる検査です。痛みや負担がほとんどなく、わずか数分で終わるシンプルな検査なのですが、実は「動脈硬化の進み具合」をチェックするのにとても役立つんです。
動脈硬化は、血管が硬くなったり狭くなったりする状態で、放っておくと心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気につながることがあります。しかし早めに兆候をつかめば、生活習慣の見直しや治療によって予防ができるんです。その意味でABI検査は「体の血管年齢を知るための健康バロメーター」といえるんです。
ABI検査でわかること
ABI検査の結果は「数値」で表されます。正常であれば1.0前後になりますが、0.9以下になると動脈の狭窄(血管が細くなっている状態)が疑われます。特に0.7を切ると「末梢動脈疾患(PAD)」の可能性が高くなり、足の血流障害から歩行時の痛みやしびれなどの症状が出てくることもあります。
私が外来で診ている患者さんでも「歩くとふくらはぎが痛くなる」「休むとまた歩ける」といった訴えがあり、ABI検査で異常が見つかるケースは珍しくありません。患者さん自身も「足の疲れやすさ=年齢のせい」と思い込んでいることが多いのですが、実は血管のSOSであることもあるんです。
ABI検査を受けた方がいい人とは?
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病を持っている方
- タバコを吸っている、または長年吸っていた方
- 歩くと足が痛む、しびれる、冷たいと感じる方
- 心筋梗塞や脳梗塞を起こしたことがある方
- 50歳以上で健康診断では問題ないが、血管の老化が気になる方
こうした方々は、動脈硬化が進行していても症状が出にくい場合があります。そのため、ABI検査のようなシンプルな方法で「隠れた血管の異常」を早めに見つけることが大切なんです。
検査の流れと安心ポイント
ABI検査はとても簡単で、血圧計のカフ(腕に巻くベルトのようなもの)を両腕と両足首に巻いて測定するだけです。検査時間はおよそ5分程度。痛みはまったくなく、着替えの必要もないので安心して受けていただけます。
元八事ファミリー内科クリニックでは、このABI検査を導入していますので、主に生活習慣病管理料を持たれている方には、積極的に検査をするようにお勧めするようにしています。
ABI検査で異常が見つかった場合
もしABI検査で異常値が出た場合でも、すぐに大きな病気になるというわけではありません。ただし「血管が狭くなっているサイン」である可能性は高いので、追加の検査や生活習慣の見直しが必要になります。
例えば、食事の改善(塩分や脂質を控える)、禁煙、適度な運動(ウォーキングなど)、血圧や血糖のコントロールといった対策が有効です。必要に応じて、薬による治療や循環器内科での精密検査をおすすめすることもあります。
当院でのABI検査の活用
当院では、健康診断や生活習慣病管理の一環としてABI検査を積極的に取り入れています。「最近歩くと足が重い」「冷えが気になる」という方はもちろん、「症状はないけれど将来が不安」という方にもおすすめしています。ABI検査を通じて、ご自身の血管の状態を客観的に知ることは、生活を見直すきっかけにもなります。
まとめ
動脈硬化は静かに進行する病気で、自覚症状が出るころにはかなり進んでいることも少なくありません。だからこそ、簡単にできるABI検査で早めにチェックしておくことが大切なんです。名古屋市天白区(塩釜口、八事)にある元八事ファミリー内科クリニックでは、生活習慣病管理にも力を入れて診療を行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。