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経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」とは?

一般内科

インフルエンザの予防接種というと、腕に注射するワクチンを思い浮かべる方が多いかと思います。でも実は、注射ではなく「鼻から吸い込むタイプのインフルエンザワクチン」が最近になって認可されたんです。それが経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」と呼ばれるものになります。
フルミストは、海外(主にアメリカやヨーロッパ)で広く使われている方法で、日本でも徐々に知名度が高まってきています。注射が苦手なお子さんや、「できれば痛い思いを避けたい」というお子様にとって、フルミストは一つの選択肢になるんです。

注射ワクチンとの違い

投与方法の違い

  • 注射:腕に皮下注射
  • フルミスト:スプレーを鼻の中に噴霧

注射が怖いと感じる子どもでも、鼻にシュッとするだけなので比較的接種を受けやすいのが特徴です。

作用の仕組み

通常のインフルエンザワクチンは不活化ワクチン(ウイルスを不活化=感染できない状態にしたもの)を使います。一方、フルミストは弱毒化生ワクチンといって、生きているけれど病気を起こさない程度に弱めたインフルエンザウイルスを使います。これを鼻の粘膜に噴霧することで、実際にインフルエンザが侵入してくる経路(鼻や喉の粘膜)で免疫を作ることができるんです。そのため「自然に近い免疫反応」が期待できるんです。

どんな人に向いている?

  • 注射がとても苦手なお子さん
    「うちの子は注射が怖くて毎年泣いて暴れてしまうんです」というお子様にとって、経鼻ワクチンは心理的な負担が少ないので、検討していただく価値はありそうです。
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  • 毎年のインフルエンザ予防を重視したいご家庭
    学齢期のお子さんは学校での流行に巻き込まれやすく、家庭内で兄弟姉妹にも感染が広がることが少なくありません。経鼻ワクチンは「発症予防」だけでなく「感染の拡大を防ぐ効果」に関しても、期待されています。
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フルミストが使えない方(禁忌・対象外)

  • 2歳未満の乳幼児および19歳以上の成人(日本においては2~18歳が対象となっています)
  • 重度の喘息があったり、喘息発作を最近起こした方
  • 免疫力が低下している方(免疫不全、がん治療中、強い免疫抑制薬使用中など)
  • アスピリン(サリチル酸)を長期服用している子ども・思春期の方
  • 過去にインフルエンザワクチンで重いアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こした方
  • ゼラチンアレルギーがある方
  • 妊婦さん

慎重に検討が必要な方(要相談)

  • 2~4歳で過去12か月以内に喘鳴(ゼーゼー音)を伴う呼吸症状があった子ども
  • 心臓・肺・腎臓などに慢性疾患がある方
  • 糖尿病など代謝性疾患がある方
  • 中等度~重度の急性疾患にかかっている最中の方(発熱時など)

副反応について

フルミストも万能ではありません。一般的に見られる副反応としては、鼻水・鼻づまり、喉の違和感、軽い発熱、だるさなどがあります。重い副反応はまれですが、喘息を悪化させるリスクがあるため、特に基礎疾患を持つ方には医師の判断が欠かせません。

海外での使用実績

アメリカCDC(疾病対策センター)やヨーロッパでも使用が認められており、多くのデータが蓄積されています。特に子どもにおいては、注射ワクチンと同等かそれ以上の効果があると報告されています。

接種料金について

当院では、インフルエンザ予防接種は以下の通り自費診療でご案内する予定です。

  • 注射タイプのインフルエンザワクチン:3,000円(税込)/回
  • 経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」:8,000円(税込)/回(名古屋市の助成対象にはなっていません。ご注意ください)
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医師として伝えたいこと

  • 経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」は、注射が苦手な方や子どもにとって、インフルエンザ予防の新しい選択肢になり得ます。ただし、喘息などの基礎疾患がある方や高齢の方には適さない場合があるため、医師と相談しながら決めることが大切だと思いま鵜s。

元八事ファミリー内科クリニックでは、フルミストについては10/1以降の開院以降、お電話にて(しばらくは電話予約のみの運用となります)ご予約を承ります。原則として接種希望日の1週間前にご連絡いただくことをお願いしたいので、よろしくお願いいたします。