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トイレが近い・頻尿でお困りの方へ

一般内科

トイレが近い・頻尿でお困りの方へ

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
今回は、泌尿器系の症状についてのお話です。元八事ファミリー内科クリニックは2025年10月に開院しましたが、その前には「おときき山泌尿器皮フ科」が長年にわたりクリニック経営されていました。そのような背景があるので、時々クリニックに「泌尿器系」の症状で受診できるかどうかをお問い合わせいただくことは、何件かあるわけなんです。

「夜中に何度も目が覚めてトイレに行ってしまう」「外出するとトイレの場所が気になって落ち着かない」――こうしたお悩みをお持ちの方は、実際には多くいらっしゃるのではないかと思います。そこで今回のブログでは、内科医としてよく経験する「頻尿の原因」や「検査・治療の流れ」、そして「受診した方が良いケース」について、できるだけわかりやすく説明をしていきたいと思います。当院、元八事ファミリー内科クリニックでは、総合内科専門医として泌尿器系の症状がある方についても、しっかりと対応していきたいと思います。ご自身やご家族の健康の参考になれば幸いです。

頻尿とは?どのくらいで「多い」と言えるのか

まず「頻尿」とは医学的に明確な定義があるわけではありません。ただ、日中の排尿回数が8回以上、夜間に1回以上トイレで目が覚める状態が一つの目安とされています。

もちろん「水分をたくさん摂った日」や「寒い季節」には、自然と尿の回数が増えることもあります。しかし、生活の質に影響するほどトイレが近い場合や、急に症状が強くなった場合には注意が必要です。

頻尿の原因としてよく見られるもの

臨床でよく遭遇する原因を、患者さんに説明している時のように整理してみます。

過活動膀胱(かかつどうぼうこう)

膀胱が過敏になり、尿が十分にたまっていなくても「行きたい」という強い尿意が出てしまう状態です。
男女ともに多く、特に中高年の女性に増える傾向があります。突然の尿意で我慢できず、尿漏れを伴うこともあります。

前立腺肥大症(男性特有)

中高年の男性によく見られます。前立腺が大きくなり尿道を圧迫することで、尿の出が悪くなり、結果として「何度もトイレに行くのにスッキリ出ない」という症状が出ます。

糖尿病

血糖値が高い状態が続くと、余分な糖を尿として排泄しようとするため尿量が増えます。その結果、トイレの回数が多くなることがあります。実際に「頻尿がきっかけで糖尿病が見つかった」という患者さんも少なくありません。

尿路感染症(膀胱炎など)

女性に多いのが膀胱炎です。「頻尿」「排尿時の痛み」「残尿感(出し切れない感じ)」が特徴です。発熱や血尿を伴う場合もありますので、早めの受診が必要です。

心臓や腎臓の病気

心不全や腎臓の機能低下によっても夜間頻尿が出やすくなります。特に「足のむくみ」と「夜間の頻尿」がセットで出ている場合には、注意が必要なんです。

頻尿に伴ってよくある患者さんの声

  • 仕事中に何度もトイレに行きたくなって集中できない
  • 夜中に3回も起きてしまい、朝までぐっすり眠れない
  • 外出するときにトイレの場所を先に確認してしまう
  • 水を飲むのを控えてしまい、体調が悪くなる

こうした悩みを我慢して放置すると、睡眠不足や生活の質の低下につながるだけでなく、背後に重大な病気が隠れていることもあります。

医療機関で行う検査の流れ

「頻尿で病院に行くと、どんな検査をされるのか不安」という方も多いと思います。当院で一般的に行うのは次のようなものです。

  • 尿検査:感染症や血尿、糖の有無を確認します。
  • 血液検査:腎臓や糖尿病の有無を調べます。
  • エコー(超音波検査):膀胱や腎臓などの状態を確認できます。

検査は痛みを伴わないものが多いので、安心して受けていただけます。

頻尿の治療法について

原因によって治療は異なります。患者さんの症状や生活習慣を伺いながら、一人ひとりに合わせて対応していきます。

  • 過活動膀胱:膀胱の過度の収縮を落ち着かせる薬を処方していきます。
  • 前立腺肥大症:排尿をスムーズにする薬を処方していきます。
  • 糖尿病が原因:まず血糖コントロールが大切です。糖尿病治療薬によって、血糖コントロールをはかっていきます。
  • 膀胱炎:抗菌薬の内服で改善することが多いです。
  • 心臓・腎臓の病気:心臓、腎臓それぞれに対しての投薬管理が中心となります。

自宅でできる工夫

  • 就寝前の過度な水分摂取を控える
  • カフェインやアルコールを摂りすぎない
  • 足のむくみがある方は、夕方に足を上げる習慣を持つ
  • 適度な運動を取り入れる

ただし、自己判断で水分を極端に制限すると脱水や熱中症のリスクがありますので注意が必要です。

受診をおすすめするのはこんなとき

  • 急に頻尿になった
  • 夜間に2回以上トイレに行く日が続いている
  • 排尿時に痛みや血尿がある
  • 尿が出にくい、残尿感が強い
  • 糖尿病や腎臓病の持病がある

まとめ|気になる「トイレの近さ」は早めにご相談を

「年齢のせいだから仕方ない」「恥ずかしいから病院には行きづらい」と思っている方も多いですが、頻尿は適切な治療で改善できることも多いです。元八事ファミリー内科クリニックでは、総合内科専門医としての経験を活かし、幅広い病気の可能性を考えながら診療を行っていきます。頻尿は泌尿器科だけの病気と思われがちですが、実際には内科的な原因が隠れていることも多く、内科医が対応すべき症状でもあるんです。

もし「最近トイレが近くて困っている」「夜中に何度も起きて眠れない」といったお悩みがありしたら、どうぞ名古屋市天白区にある元八事ファミリー内科クリニックに、気軽にご相談ください。