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低気圧と頭痛の関係について

一般内科

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。外来で診察をしていると、「雨が降る前に頭痛が出やすい」「台風が近づくと体がだるくて頭が痛い」というお声をたまに耳にします。実は、これは気のせいではなく、医学的にも「低気圧と頭痛」には関係があると考えられているんです。そこで今回のブログでは、低気圧と頭痛のつながりについて、できるだけわかりやすくお話ししていきたいと思います。

なぜ低気圧で頭痛が起こるのか?

低気圧が近づくと、私たちの体は気圧の変化を敏感に感じ取ります。特に耳の奥にある「内耳(ないじ)」という部分は、気圧のセンサーのような役割を果たしています。この内耳が気圧の変化を感知すると、自律神経(体のバランスを調整する神経)が乱れやすくなるんです。その結果、血管が広がったり収縮したりして、頭痛につながることがあるんです。患者さんに多いのは「片頭痛(ズキズキする頭痛)」や「緊張型頭痛(締め付けられるような頭痛)」が低気圧の時に悪化するパターンです。特に片頭痛の方は、雨や台風の前に痛みが強くなることがよくあります。

臨床でよく見る症状のパターン

  • 天気予報より早く頭痛で低気圧が来るのがわかる
  • 頭痛だけでなく、めまいや耳の詰まった感じも一緒に出る
  • 雨の日は薬を飲んでも効きが悪い
  • 季節の変わり目に特にひどくなる

頭痛だけでなく、倦怠感(だるさ)、吐き気、集中力の低下を一緒に訴える方も少なくありません。また、喘息やアレルギー症状に関しても、気圧の変化で悪化する方が多く、頭痛と一緒に体調不良を感じることもよくあるんです。

低気圧頭痛のセルフケア方法

① 規則正しい生活リズムを保つ

睡眠不足は自律神経を乱し、頭痛を悪化させます。まずは寝る時間と起きる時間を整えることが大切です。

② 軽いストレッチや深呼吸

血流を改善することで、頭痛の予防になります。肩や首の筋肉をほぐすのも効果的です。

③ 水分をしっかりとる

脱水気味になると頭痛が悪化しやすいので、こまめな水分補給をおすすめしています。

④ カフェインをうまく使う

コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには血管を収縮させる作用があります。片頭痛の初期に少量飲むと、症状が和らぐ方もいます。ただし、飲みすぎは逆効果なので、その点は注意が必要です。

⑤ 頭痛日記をつける

「どんな天気の日に頭痛が出るか」を記録すると、自分のパターンが見えてくることもあります。患者さんに説明してみると、「なるほど、自分は台風の前に強く出やすいんですね」と納得される方もいらっしゃいます。

薬による治療について

市販の鎮痛薬(痛み止め)で対応できる場合もありますが、症状が頻繁に出る方や痛みが強い方には、医師による適切な処方が必要なことも多いです。例えば、片頭痛の場合はトリプタン系薬剤という専用の薬があり、発作の初期に服用することで効果が出やすかったりします。

頭痛以外の症状にも注意が必要

低気圧で頭痛が出る方の中には、めまいや耳鳴りを同時に感じる方もいます。これは「気象病(きしょうびょう)」とも呼ばれる症状のひとつです。さらに、呼吸器の持病(喘息や慢性閉塞性肺疾、COPD)をお持ちの方は、気圧変化で咳や息苦しさが強まることがあります。

頭痛だけに注目せず、全身の症状をトータルでみることがとても大切なんです。

受診を検討していただきたい方

  • 月に何度も頭痛で鎮痛薬を使っている
  • 市販薬が効かない、効きにくい
  • 頭痛にめまい・吐き気・しびれなどを伴う
  • 日常生活や仕事に支障が出ている

こうした場合は、自己判断で放置せず、専門的な診察を受けていただくことをおすすめします。当院でも、症状に合わせた治療や生活アドバイスを行っていきたいと思っています。

まとめ

低気圧と頭痛の関係は、日常生活に大きな影響を与えるものです。単なる「天気のせい」ではなく、低気圧と頭痛との間には、しっかりとした医学的なメカニズムがあることを理解していただければと思います。元八事ファミリー内科クリニックでは、頭痛だけでなく全身の症状を幅広くサポートしていきます。「天気が悪いと頭が痛くなる」「雨の日は調子が出ない」とお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談いただければと思います。