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喘息の評価に「吐く息の一酸化窒素(呼気NO)測定」が大切な理由

喘息・長引く咳

喘息の評価に「吐く息の一酸化窒素(呼気NO)測定」が大切な理由

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
今日は「喘息の評価をするのに、なぜ吐く息の一酸化窒素(呼気NO)の測定を行うのか」について、よく聞かれることがあります。確かに、「一酸化窒素」というもの自体、学校の化学の授業くらいでしか聞いたことがないですよね。
そこで今回のブログでは、呼気NO測定というもの、そしてなぜ喘息の評価に有用なのか、ということについて、わかりやすく説明したいと思います。

喘息とはどんな病気か

喘息は「気管支」という空気の通り道に炎症が続くことで、咳やゼーゼーする呼吸、息苦しさが出てしまう病気です。
ポイントは「気管支の炎症が続いている」というところなんです。炎症があることで気道が敏感になり、少しの刺激でも発作が起きやすくなります。
そのため、見た目の症状だけではなく「気管支の中で炎症がどのくらい起きているか」を客観的に評価することが、とても大切になるんです。

呼気NOとは?

呼気NO(Exhaled Nitric Oxide)とは、息を吐いたときに出てくる一酸化窒素(NO)の濃度を調べる検査です。
一酸化窒素は、気管支にアレルギー性の炎症があると増えていく物質なんです。つまり、この値を測ることで「今、気管支にアレルギー性の炎症がどのくらいあるか」を「客観的」に「数値」で知ることができます。
症状だけでは分かりにくい「隠れた炎症」を見つけられるのが、呼気NO測定の大きなメリットです。

なぜ呼気NO測定が喘息診療に役立つのか

① 診断の助けになる

咳が長く続くと「喘息なのか」「風邪や咳喘息なのか」区別が難しいことがあります。呼気NOの値が高ければ、喘息やアレルギー性の炎症が疑われやすくなります。
特に小児や若い方は症状だけでは診断が難しいことが多いため、この検査は有用です。

② 治療効果の確認ができる

吸入ステロイド薬(炎症を抑える薬)を使うと、呼気NOの値は下がっていきます。
「ちゃんと薬が効いているか」「吸入を忘れていないか」といった確認にも役立つので、治療のモチベーションにもつながったりするんです。

③ 将来の発作を予測できる

呼気NOが高い状態を放置すると、発作が起きやすくなります。
症状が軽くても、呼気NOが高ければ「まだ炎症が残っている」ことが分かり、将来の発作を予防するために治療を続ける根拠になります。

 

臨床でよくあるケース

例えば「夏は落ち着いていたのに、秋になったら咳が止まらなくなった」という方がよく来院されます。
聴診(ちょうしん:胸に聴診器を当てる診察)では音がきれいでも、呼気NOを測ると数値が高いことがあります。
この場合、「まだ炎症が残っている」と判断して吸入薬の調整を行うことで、重い発作を防ぐことができます。
こういった臨床での判断材料としても、呼気NO測定はとても役立つんです。

当院での取り組み

元八事ファミリー内科クリニックでは、名古屋市立大学病院呼吸器内科在籍時に多数の喘息患者を診させてもらった経験を活かし、患者さん一人ひとりの症状や生活背景に合わせて診療を行っています。
呼気NO測定は痛みのない検査で、小さなお子さんから大人の方まで安心して受けられます。
「今の治療が合っているのか確認したい」「咳が長引いていて喘息かどうか知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

呼気NO測定は、喘息の診断・治療効果の確認・発作予測に役立つ大切な検査です。
名古屋市天白区(塩釜口、八事)にある元八事ファミリー内科クリニックでは、患者さんが安心して通えるように、一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。