動悸とは?「ドキドキする」感覚の正体
動悸とは?
こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。昨日は内覧会にお越しいただき、誠にありがとうございました。
「急に心臓がドキドキして不安になった」「夜、横になったときに心臓の音が気になって眠れなかった」などといった経験をされた方はいらっしゃいますか?
動悸(どうき)というのは、心臓の拍動を普段より強く、あるいは速く感じる症状のことを指します。必ずしも心臓の病気があるとは限りませんが、なかには治療が必要な不整脈(ふせいみゃく)や心疾患が隠れていることもあるので注意が必要です。
そこで今回のブログでは、動悸という症状について、少し取り上げてみたいと思います。
動悸のよくある原因
① 心臓に由来するもの
最も気をつけたいのは、不整脈や心筋症など心臓の病気が関わっている場合です。特に「脈が飛ぶ」「急に速くなる」といった症状は、不整脈のサインかもしれません。心房細動や上室性頻拍といった病気は、高齢の方だけでなく比較的若い方にも見られることがありますので、注意が必要です。
② 自律神経の影響
ストレスや睡眠不足、カフェインの摂りすぎなどで交感神経が優位になると、動悸が出やすくなります。検査をしても異常が見つからないケースでは、このタイプが多いです。若い方や女性に多く、「仕事が忙しい時期だけドキドキする」という訴えもよく聞きます。
③ ホルモンや代謝の異常
甲状腺ホルモンの異常や、貧血が原因で心臓が普段以上に働かざるを得ず、動悸が出ることもあります。特に「息切れ」「疲れやすさ」を伴うときは、心臓以外の病気が隠れていないか注意が必要です。特に、甲状腺ホルモンが過剰に働いてしまう、甲状腺機能亢進症というお病気がないかどうかは、動悸の症状がある方には必ず調べるようにしています。
ホルター心電図とは?
「診察室では異常が出ないのに、家に帰るとドキドキする」――そんな患者さんも多くいらっしゃいます。そのときに役立つのがホルター心電図です。
ホルター心電図は、24時間(場合によっては48時間)にわたって心電図を記録できる検査で、日常生活の中で心臓のリズムを詳しく調べることができます。小型の機械を胸につけて帰宅していただき、仕事中や就寝中の心拍もすべて記録できるので、短時間の心電図検査では捉えられない不整脈も見つけやすいので、動悸の症状がある方にはぜひこのホルター心電図という検査を受けていただくことをお勧めしています。
実際の診療でよくあるケース
ケース1:動悸は夜だけ
「昼間は何ともないけど、寝るときにだけ心臓がドキドキして眠れない」という方がいます。この場合には、ホルター心電図で夜間に不整脈が出ているかどうかを確認します。異常が見つからないときは、自律神経のバランスが崩れている可能性が高く、生活習慣の調整で改善することも多いです。
ケース2:急に脈が速くなる
診察時は落ち着いていても、ホルター心電図で上室性頻拍や心房細動といった、突発的に脈拍が速くなる不整脈が見つかることがあります。これらは放置すると脳梗塞などにつながることもあるため、早期発見・治療がとても大切になるんです。
ケース3:動悸と息切れが一緒に出る
「歩いたときに胸が苦しくてドキドキする」と訴える方では、狭心症やCOPD、心不全などが隠れている場合があります。なので、ホルター心電図に加えて、胸部レントゲンや血液検査を組み合わせて診断を進めることが大切だと思っています。
ホルター心電図の検査の流れ
当院では、検査の当日に小型の心電計を装着し、そのまま普段通りの生活を送っていただきます。お風呂や激しい運動は避けていただきますが、仕事や家事はいつも通りで大丈夫です。翌日に機械を外してデータを解析し、動悸があった時間帯と心電図の変化を照らし合わせて確認していきます。
検査を受けるべきサイン
- 急に脈が速くなる・乱れる
- 胸のドキドキと同時にめまい・ふらつきがある
- 夜中に動悸で目が覚める
- 息切れや胸の痛みを伴う
こういった症状がある方は、放置せずに一度ご相談いただくことをおすすめします。
動悸でお困りの方へ
動悸は一時的なものから、重大な病気のサインまで幅広い原因があります。「心配しすぎかな」と思っても、安心のために検査を受けることには大きな意味があります。元八事ファミリー内科クリニックでは、総合内科専門医・呼吸器専門医・アレルギー専門医としての視点を活かし、心臓や呼吸、全身の状態をトータルで確認しながら診療していきたいと思っています。動悸で不安を感じている方は、どうぞお気軽にご相談ください。