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手足の冷えやしびれを感じたら注意!末梢循環障害のサインかも

一般内科

単なる冷え性?それとも?

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。11月になり、冷え込む日も増えてきましたが、冬に近づくにつれて、「手足が冷たくて眠れない」「手の指がしびれる感じがある」といった相談を受けることが多くなってきます。特に秋から冬にかけては、冷えや血流の悪さを訴える方が増える時期なんです。
単なる冷えと思って放っておく方も多いのですが、実は「末梢循環障害(まっしょうじゅんかんしょうがい)」という病気のサインであることもあります。そこで今回のブログでは、冷えやしびれの原因、考えられる病気、そして日常生活での注意点について、取り上げて説明していきたいと思います。

末梢循環障害とは?

末梢循環障害とは、手足などの「末端(まったん)」部分の血流が悪くなることで、酸素や栄養が十分に届かなくなる状態のことを言います。
血液は心臓から全身に送り出されていますが、その流れがどこかで滞ると、指先やつま先などが冷たくなったり、しびれを感じたりします。これは、いわば「血のめぐりが悪くなっているサイン」なんです。

血流が悪くなる主な原因

  • 動脈硬化(どうみゃくこうか)による血管の狭まり
  • 糖尿病による末梢神経や血管の障害
  • 喫煙習慣や高コレステロール血症
  • 寒さやストレスによる血管の収縮
  • 長時間の同じ姿勢や運動不足

特に高血圧・糖尿病・脂質異常症がある方は、末梢の血流が悪くなりやすい傾向にあります。

こんな症状があるときは注意

「冷え」はよくある症状ですが、以下のような場合は注意が必要です。

  • 手足の片側だけが冷たい・しびれる
  • 歩くと足が痛くなり、休むと楽になる(間欠性跛行といいます)
  • 傷が治りにくい・皮膚の色が紫や白っぽくなる
  • 夜中に足が痛くて眠れない

これらの症状は、「閉塞性動脈硬化症」などの血管の病気が隠れていることがあります。放置すると、血流が途絶えてしまうリスクもあるため、早めの診察が大切なんです。

冷えやしびれの裏に隠れる疾患

① 閉塞性動脈硬化症(ASO)

足の血管が動脈硬化によって狭くなる病気で、中高年男性に多く見られます。歩行中にふくらはぎが痛くなり、休むと治まるのが特徴です。放置すると血流がさらに悪化し、皮膚が壊死することもあります。

② 糖尿病性神経障害

糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、神経や毛細血管が障害され、しびれや冷感、感覚の鈍化が起こります。特に足のしびれを「年のせい」と勘違いされる方が多いですが、実際には糖尿病の初期サインであることも少なくありません。

③ レイノー現象

寒さやストレスによって血管が過剰に収縮し、指先が真っ白になったり青紫に変わったりする症状です。若い女性にも多く見られ、膠原病(こうげんびょう)と呼ばれる自己免疫の病気に関連している場合もあります。

診断にはどんな検査を行う?

末梢循環障害が疑われる場合、当院では以下のような検査を行います。

  • ABI検査:手足の血圧を測定して血流の状態を評価します。
  • 血液検査:糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症の有無を確認します。
  • 超音波検査(エコー):動脈の狭窄や血栓の有無を確認します。

日常生活でできる血流改善のポイント

① 適度な運動を習慣に

ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動を続けることで血流が改善します。長時間同じ姿勢で過ごさないようにし、デスクワーク中も1時間に1回は足を動かすようにしましょう。

② 身体を冷やさない

特に足首・手首・首元を温めることが大切です。靴下の重ね履きよりも、血行を妨げない締めつけの少ない靴下がおすすめです。お風呂ではシャワーだけで済まさず、湯船にゆっくり浸かって体の芯から温まることが大切だと思います。

③ バランスの良い食事を意識

血流をよくするには、ビタミンE(ナッツ類・かぼちゃなど)やオメガ3脂肪酸(青魚・亜麻仁油など)を取り入れると効果的です。塩分や脂質の摂りすぎにも注意が必要です。

④ 禁煙を意識する

タバコは末梢血管を収縮させ、血流を悪化させます。禁煙は末梢循環障害の改善だけでなく、心臓病や脳卒中の予防にもつながります。

まとめ:冷えやしびれを放置しないで

「冬に近づくにつれて手足が冷えるようになった」と思っていた症状の裏に、血管や神経の病気が隠れていることもあります。
手足の冷えやしびれが長く続く場合は、早めに医療機関を受診して原因を調べることが大切です。

元八事ファミリー内科クリニックは、血流の状態を評価する検査を行い、糖尿病・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病も含めて総合的にサポートさせていただきます。
少しでも「いつもと違う」と感じたときは、気軽にご相談ください。