TOPへ

朝の頭痛と睡眠中のいびき

朝起きた時からの頭痛
いわゆる寝起き頭痛はないですか?

朝起きた時から頭が重い、頭がすっきりしない、目覚めた瞬間に頭痛を感じる・・・。その不快な“寝起きの頭痛”は、単なる寝不足やストレスだけでなく、睡眠の質が低下しているサインかもしれません。さらに家族から「いびきが大きい」「呼吸が止まっている」と言われたことがある場合、単なる疲れや寝不足ではなく、深刻な睡眠障害である「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」の可能性があるかもしれないんです。 睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まる病気で、寝ているときの酸素不足が全身の臓器に負担となってしまい、高血圧や心臓病、脳梗塞などの重大なリスクを高めてしまいます。起床時の頭痛といびきは、その“最初のサイン”ともいえる大切な症状なんです。


起床時頭痛の主な原因について

起床時に頭痛を感じる場合、その背景にはいくつかの特徴的な原因が考えられます。代表的なものとして、①睡眠時無呼吸症候群、②睡眠の質の低下、③片頭痛、④筋緊張性頭痛、⑤高血圧、⑥脳の病気による頭痛 などが挙げられます。起床時の頭痛は、睡眠の状態や体調の変化が強く影響している点が特徴になります。

① 睡眠時無呼吸症候群(SAS)

起床時頭痛の原因として特に多いのが、睡眠時無呼吸症候群です。睡眠中に呼吸が何度も止まることで脳が十分に休むことができず、酸素不足や睡眠の分断が起こってしまいます。その結果、朝起きた直後に頭痛や強い眠気、倦怠感が生じてしまうんです。 本人に自覚がないまま症状が進むことも多いため、「毎朝の頭痛」「熟睡感がない」「日中眠くなる」場合には、睡眠時に無呼吸が起こっていないかどうかを評価する検査(簡易検査、PSG検査)を受けてみることをお勧めします。

② 睡眠の質の低下(寝不足・浅い睡眠)

十分な睡眠時間を確保していても、眠りが浅かったり途中で何度も目覚めたりすると、脳の休息が不十分になります。これによって、起床時に頭が重い、締めつけられるような痛みを感じやすくなるんです。 また、寝不足が続くことで自律神経の乱れや脳血流の変化が生じ、その結果慢性的な朝の頭痛につながることもあります。

③ 片頭痛

片頭痛は起床時に痛みが出ることが多いタイプの頭痛です。睡眠中のホルモン変動や寝過ぎ・寝不足、気圧変化などが誘因となり、朝起きた瞬間からズキズキとした強い痛みが現れることがあります。 光や音に敏感になる、悪心を伴うなど、日常生活に支障をきたしやすい点が特徴です。

④ 筋緊張性頭痛

寝ている間の姿勢の悪さや、硬い枕・合わない寝具などによって、首や肩の筋肉が緊張すると、起床時に鈍い締めつけるような痛みが生じます。 特に、うつ伏せ寝や高すぎる枕などは筋肉のこりを悪化させ、朝の頭痛を引き起こしやすくなります。

⑤ 高血圧による起床時頭痛

血圧は早朝に最も上がりやすい性質があるため、高血圧の方は起床直後に後頭部の重だるさや圧迫感を感じることがあります。 「朝だけ頭が痛い」という場合、血圧測定を行うことで原因が見えてくる場合があります。高血圧を放置すると、脳卒中、心疾患などの重大な病気のリスクが高くなってしまうため、注意が必要なんです。

⑥ 脳の病気(脳腫瘍など)による頭痛

頻度は少ないものの、脳腫瘍や脳圧の上昇が原因で起床時に頭痛が強く出ることがあります。特に、 ・朝に強い頭痛 ・吐き気や嘔吐を伴う ・日ごとに痛みが増していく ・手足のしびれ、言葉の障害を伴う といった症状は、重大なサインの可能性があります。気になる症状が続く場合には、早めの受診が大切になってきます。


起床時の頭痛が起きる本当の理由とは?

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に気道(空気の通り道)が狭くなり、呼吸が10秒以上止まる「無呼吸」や、呼吸が弱くなる「低呼吸」が何度も繰り返されます。その結果、 ・体内の酸素濃度が低下 ・二酸化炭素が増加 ・脳が酸欠状態になる という状態が起こり、頭痛を引き起こしてしまうんです。 つまり、朝目覚めた直後に痛みが強い場合は、睡眠中の酸素不足が大きく影響しているケースが多かったりします。
頭痛薬が効きにくい、疲れが取れない、寝ても寝ても眠い、といった症状があれば、睡眠障害を疑うべきサインです。


いびきの原因
→単なる「うるさい寝息の音」ではないんです

いびきは、「気道が狭くなっている警笛音」と考えてもらう寝ても寝ても眠いいます。睡眠中に喉の筋肉が過度に緩んだりすると、空気が流れる通り道である「上気道」が狭くなってしまいます。その結果、粘膜が振動して「いびき音」が生じるんです。

いびきを引き起こす代表的な原因としては、肥満による首まわりの脂肪の増加、加齢による筋力低下、鼻づまりやアレルギー性鼻炎などが挙げられます。また、就寝前の飲酒や睡眠不足は喉の筋肉をゆるませてしまいますので、いびきの原因になったり悪化させたりしてしまいます。女性では更年期以降、ホルモンバランスの変化によっていびきが増えることもあります。子どものいびきは、扁桃肥大やアデノイド肥大の影響が大きく、放置すると集中力低下や日中の眠気の原因になることもあり、学業に支障をきたしてしまうこともあります。原因は一つに限らず複数が重なっているケースも多いため、生活習慣の見直しと医学的な評価が非常に大切になってくるんです。


危険ないびきの見分け方

「ただのいびき」と「危険ないびき」を分けるポイントは、「睡眠中に呼吸が止まっていないかどうか」です。10秒以上呼吸が止まる状態が繰り返される場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、放置すると高血圧・心疾患・脳卒中リスクが高まってしまいます。

特に危険なのは、

・途中でいびきが止まり、しばらくして“ガッ”と呼吸が再開する場合

・寝返りと同時にいびきが変化する場合 ・大きないびきが毎日続く場合

・朝の頭痛や倦怠感がある場合

などの場合です。これは典型的な睡眠時無呼吸症候群の呼吸パターンで、多くの患者さんが自覚なく毎晩繰り返しています。さらに、昼間の強い眠気や居眠りが多い人は、睡眠の質が著しく低下しているサインと言えます。いびきに加えてこれらの症状がある場合には、早めに医療機関を受診して検査を受けることが大切になります。


睡眠時無呼吸症候群を治療すると
頭痛やいびきはどうなるのか?

睡眠時無呼吸症候群に対して適切な治療(CPAP療法など)を行うことで、起床時の頭痛やいびきが改善するケースは多くあります。

治療によって睡眠中の気道が確保され、呼吸が安定することで、脳や体がしっかり休息できるようになり、酸素不足や睡眠の分断が解消されるためです。とくにCPAPを継続して使用すると、いびきの大幅な減少や、朝の頭痛・日中の眠気の改善が期待できます。

「朝から頭が痛い」「いびきがひどい」といった症状は、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることが多く、治療で良くなることが多くあります。気になる症状が続く場合は、早めに医療機関へ相談し、根本的な改善につなげていくことが大切なことなんです。


いびきを止める方法

いびきを改善するためには、まず「気道を広げる生活習慣」を意識してみるが大切になります。仰向けで寝ると舌が落ち込みやすいため、もっとも効果的なのは、横向きで寝る習慣をつけることかと思います。また、枕の高さが合わないと首まわりが圧迫されるため、やや低めで自然に呼吸がしやすい高さの枕を用意してもらうと改善が期待できる場合もあります。さらに、寝る前の飲酒は筋肉を緩ませていびきを悪化させるため、就寝3時間前になったら、飲酒は控えることが望ましいです。鼻づまりがある方は、就寝前に温かいシャワーで鼻を温める、加湿器を使うなどをすることで、鼻の通りをよくしておく工夫も大切になります。これらの日常的な工夫で改善しない場合には、いびきの裏に睡眠時無呼吸症候群などの病気が潜んでいる可能性もあるため、医療機関を受診して詳しい検査を受けてもらうことをお勧めします。


いびきは熟睡の証?

「いびきをかくと熟睡している」と思われがちですが、実は逆で、いびきは深い睡眠を妨げているサインであることが多いです。いびきが出ている状態では、上気道が狭くなっており、体は十分に酸素を取り込めていません。そのため、脳は酸素不足に反応して眠りを浅くして覚醒を促そうとして、呼吸を確保しようとします。この繰り返しによって、本来必要な深い睡眠が得られず、夜間何度も目覚めてしまったり、翌朝の疲労感や集中力低下につながることが多いんです。特に睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合は、熟睡どころか体に負担が蓄積されてしまいます。「毎晩いびきをかく」「日中の眠気が強い」などの症状がある場合は、良質な睡眠が妨げられている可能性があるため、早めに睡眠に対しての適切な評価を受けることが大切なんです。


よくある質問(Q&A)

頭痛はストレスでも起こるのに、どう見分けたらいいの?

「毎朝決まって痛い」「いびきがある」「日中眠い」という組み合わせの場合は、より強く睡眠時無呼吸症候群を疑います。

痛みがなくても検査すべき?

いびきが強い、呼吸が止まると言われる、血圧が高いなどがあれば、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けることをおすすめします。

簡易検査でも正確なの?

睡眠時無呼吸症候群の診断には非常に有用です。必要に応じて精密検査(PSG検査)も行います。

CPAPは大変そう…続けられますか?

ご安心ください。最近のCPAPは静かで装着感も改良されており、多くの方が数週間で慣れて無理なく継続できています。 多くの患者さんが「治療開始から数日で朝のだるさが改善した」と実感されています。

子どものいびきも危険?

扁桃肥大や鼻の病気が原因の場合があります。成長や集中力に影響する場合も多いため、早めに相談してもらうことをおすすめします。

いびきは必ず病気のサインですか?

すべてのいびきが病気とは限りませんが、毎日のように大きないびきをかく場合は睡眠時無呼吸症候群の初期サインであることが多いので、注意が必要です。

頭痛薬では朝の頭痛は治らないの?

一時的に軽減することはありますが、睡眠時無呼吸症候群が原因の場合は根本改善になっていません。原因となる無呼吸を治療することで、頭痛の改善が期待できます。