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肥満外来(メディカルダイエット)

肥満外来(メディカルダイエット)とは

肥満外来(メディカルダイエット)は、医学的根拠に基づいた治療により、無理のない体重管理をサポートする専門外来です。食事や運動を頑張ってもなかなか体重が減らない方、リバウンドを繰り返してしまう方に対し、医師の管理のもとで安全に治療を行っていきます。

肥満は見た目の問題にとどまらず、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな疾患のリスクを高めることが知られています。そのため当院では、単に「体重を減らす」ことだけを目的とするのではなく、糖尿病・脂質異常症・高血圧といった生活習慣病の予防や、将来の健康リスクを見据えた体質改善も重視しています。

診察では、医師が生活習慣や体調、既往歴を丁寧に確認したうえで、必要に応じてGLP-1受容体作動薬などの薬物療法を組み合わせながら、無理なく継続できる治療プランをご提案させていただきます。


なぜ肥満が問題とされるのか
~肥満がもたらす
健康リスク~

肥満は「見た目の問題」だけでなく、全身の健康に大きな影響を及ぼします。 内臓脂肪が増加すると、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなり、血糖を下げる働きが弱くなった状態のことを指します)が生じやすくなり、以下のような疾患のリスクが高まることが知られています。

これらは将来的な合併症や寿命にも影響するため、「体重管理=将来への投資」と考えることが大切なんです。


GLP-1受容体作動薬を用いた肥満治療について

使用するお薬

当院では、GLP-1受容体作動薬を用いた治療を行っています。

  • マンジャロ(週1回の自己注射)
  • リベルサス(1日1回の内服薬)

これらはGLP-1受容体作動薬に分類され、食欲を抑え、満腹感を持続させることで 自然な食事量の減少を促し、体重減少をサポートします。

特にマンジャロは、GIP/GLP-1受容体作動薬(デュアルアゴニスト)であり、 従来薬より高い体重減少効果が期待される薬剤として注目されています(ダイエット注射)。

GLP-1とは

GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)は、食事摂取後に腸から分泌されるホルモンで、 血糖調整や食欲抑制に深く関与しています。
マンジャロやリベルサスは、このGLP-1の働きを補うことで、 以下のような複数の作用を通じて効果を発揮します。

GLP-1受容体作動薬の主な作用

① インスリン分泌の促進
食後に血糖値が上昇した際、膵臓のβ細胞に作用してインスリン分泌を促し、 血糖値の上昇を抑えます。

② グルカゴン分泌の抑制
血糖値を上昇させるホルモンであるグルカゴンの分泌を抑え、 血糖コントロールを安定させます。

③ 胃の排出をゆっくりにする作用
胃内容物の排出を遅らせることで、 食後血糖の急激な上昇を防ぎます。

④ 食欲抑制・満腹感の増強
脳の中枢に作用し、少量の食事でも満腹感を得やすくなるため、 自然と食事量が減少します。


GLP-1受容体作動薬で期待できる効果と副作用

期待できる効果

  • 食欲の抑制
  • 体重・体脂肪の減少
  • 内臓脂肪の改善
  • 血糖・代謝バランスの改善

マンジャロ、リベルサスで期待できる体重減少効果の医学的エビデンス

マンジャロおよびリベルサスは、食欲の抑制や満腹感の持続を通じて体重管理をサポートするお薬です。
体重減少の程度やスピードには個人差があり、生活習慣や体質、用量、継続期間などによって結果は異なります。そのため、治療は最初から高い効果を求めるのではなく、初期量から開始し、体を慣らしながら進めることが重要とされています。

マンジャロの体重減少効果の目安

マンジャロは、初期量から開始し、体調や副作用の有無を確認しながら、必要に応じて段階的に用量を調整していく治療薬です。
海外の臨床試験では、数か月から1年程度の継続使用により、体重の数%から10%を超える減少がみられた例も報告されていますが、これらは段階的な用量調整を行ったうえで得られた結果です。

一般的には、治療開始後しばらくして食欲の変化を感じ、その後、数か月かけて体重の変化が緩やかに現れてくるケースが多いとされています。
無理に早期の減量を目指すのではなく、体調を確認しながら継続することが、安全で現実的な治療につながります。

リベルサスの体重減少効果の目安

リベルサスも、最初は少量から開始し、体を慣らす期間を設けたうえで治療を進めるお薬です。
臨床試験では、6か月から1年程度の使用で、体重の数%程度の減少がみられたと報告されていますが、こちらも初期量から段階的に治療を行った結果とされています。

急激な体重減少を目的とする治療ではなく、比較的ゆるやかなペースで体重管理を行うことを目的とした薬剤であり、無理のない継続が重要です。

治療を受けるうえでの大切な考え方

これらの治療では、「早く増やせばよく痩せる」という考え方は推奨されていません
副作用の予防や治療継続のしやすさを考慮し、初期量で体を慣らしながら、医師の管理のもとで段階的に進めていくことが大切です。

効果や副作用の現れ方には個人差があるため、定期的な診察や必要な検査を行いながら、安全性を最優先に治療を進めていきます。
体重減少の数値だけにとらわれず、長期的な健康維持を目的とした治療であることをご理解ください。

  • 参考文献

  • ・Jastreboff AM, et al.Tirzepatide Once Weekly for the Treatment of Obesity.
     New England Journal of Medicine. 2022;387:205–216.(SURMOUNT-1試験)

  • ・Wilding JPH, et al.Once-Weekly Semaglutide in Adults with Overweight or Obesity.
     New England Journal of Medicine. 2021;384:989–1002.

  • ・Davies M, et al.Effect of Oral Semaglutide Compared with Placebo and Subcutaneous GLP-1 Receptor Agonists on  Glycemic Control and Body Weight.JAMA. 2017;318(15):1460–1470.(PIONEER試験)

  •  

副作用について

マンジャロの副作用

マンジャロの使用により、特に治療開始初期や用量増量時を中心に、以下のような副作用が報告されています。

  • 悪心(吐き気)
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 腹痛、腹部不快感

これらは主に消化管運動や食欲調節に作用することに関連すると考えられており、多くは一時的ですが、症状が強い場合や持続する場合には用量調整や休薬が必要となることがあります。

リベルサスの副作用

リベルサスにおいても、治療開始初期を中心に以下のような副作用がみられることがあります。

  • 悪心(吐き気)
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 腹部膨満感、腹痛

これらの副作用は、服用量や服用方法(空腹時内服など)により出現頻度や程度が異なる場合があります。症状が日常生活に支障をきたす場合には、医師の判断のもとで対応を相談させていただきます。

いずれの薬剤も、治療中は副作用の有無を確認しながら、医師の管理のもとで安全に治療を進めていきます。

まれな副作用と当院の対応

非常にまれではありますが、膵炎や甲状腺C細胞腫瘍などの報告があります。膵炎の既往がある方、重度の胃腸障害がある方などは使用できない場合があります。 必ず医師の診察のもとで治療を開始してください。

当院では安全性を最優先に考え、 マンジャロ・リベルサス開始前に必ず血液検査を実施し、 患者さまのリスクを確認したうえで治療を開始しています。

本治療で使用するGLP-1受容体作動薬は、国内において肥満治療を目的とした効能・効果では承認されていない医薬品を、自費診療として使用するものです。これらの薬剤は国内の正規卸業者を通じて入手していますが、肥満治療に関して国内で承認された医薬品はありません。海外では、GLP-1受容体作動薬の使用に関連して、膵炎の発症や重度の消化器症状、急性腎障害などに関する報告があり、また一部の薬剤では髄様甲状腺癌との関連について注意喚起が行われています。こうした安全性情報を踏まえ、欧米では患者さんの既往歴や併用薬を十分に考慮した上で、慎重な適応判断と経過観察が求められています。なお、これらの未承認医薬品を用いた治療により万が一健康被害が生じた場合でも、医薬品副作用被害救済制度等の公的救済制度の対象にはならないことを、あらかじめご了承ください。


リベルサスvsマンジャロ
費用・薬剤ごとの比較

自費初診料(診察+血液検査):5,000円(税込)

自費再診料:500円

項目 リベルサス  マンジャロ

製剤の形態
用法用量

経口薬
(毎朝起床時少量の水で
内服。服用後は30分から2時間絶飲食が必要)。

週1回(皮下注射)

作用機序

GLP-1受容体作動薬 GIP+GLP-1受容体作動薬
(デュアル)

体重減少の効果

中等度

高い

臨床試験での傾向

5~10%程度が中心

10~20%前後の体重減少例も

食欲抑制

中等度

強い

減量スピード

やや緩やか

比較的早め

副作用(共通)

吐き気、嘔吐、下痢、便秘、食欲不振、胃部不快感

薬剤ごとの特徴

・空腹時の内服が必要
・飲み方が不適切だと吐き気だ出やすい
・症状は比較的マイルド

・消化器症状がやや強く出やすい
・用量増量時に症状が出やすい

向いている人の特徴

・まずは内服から始めたい
・注射には抵抗がある
・副作用をできるだけ軽くしたい

・しっかり体重を落としたい
・注射に抵抗がない
・多少の副作用リスクを理解・許容できる

費用(税込み)

3mg錠(30日分) 9,800円 
②7mg錠(30日分)19,600円 

①2.5mg製剤
  1本:   5,800円
  4本セット:21,000円
②5mg製剤
  1本: 8,800円
  4本セット:33,000円
②7.5mg製剤
  1本: 11,800円
  4本セット:45,000円

 

 


受診の流れ

① ご予約

WEB予約またはお電話にてご予約ください。診療は予約制のため、待ち時間の少ないスムーズなご案内が可能です。

② ご来院・受付

ご予約日時にご来院いただき、受付後に問診票をご記入いただきます。現在のお悩みや体調について、できるだけ詳しくご記入ください。

③ 医師による診察・カウンセリング

医師が体重の推移、生活習慣、既往歴、お悩みや治療目標などを丁寧にお伺いし、肥満外来(メディカルダイエット)が適しているかを判断します。

④ 必要に応じた検査

安全に治療を行うため、原則として初回治療前に血液検査(血糖値、HbA1cなど)を実施することを推奨しています。

⑤ 治療内容のご説明・薬剤選択

マンジャロまたはリベルサスについて、期待できる効果、副作用、費用などをわかりやすく丁寧にご説明します。十分にご理解・ご納得いただいたうえで、治療を開始します。

※同意をいただいたうえで治療を行っております。そのため、初回当日にお薬をお渡しすることはできず、後日あらためてご来院いただいた際のお渡しとなります。あらかじめご了承ください。

⑥ 治療開始・定期フォロー

治療開始後は、体調や体重の変化を確認しながら、無理のないペースで治療を継続します。必要に応じて治療内容の調整も行います。


ご注意事項(必ずお読みください)

初診時の血液検査にて糖尿病が確認された場合は、自費診療ではなく保険診療へ切り替え、糖尿病治療を優先して行います。

また、検査結果により臓器障害が認められた場合には、安全面を考慮し、該当薬剤をご使用いただけないことがあります。あらかじめご了承ください。


よくある質問

肥満外来はどのような方が対象になりますか?

食事や運動を工夫しても体重が減りにくい方、リバウンドを繰り返してしまう方、 健康診断で肥満や内臓脂肪を指摘された方などが対象となります。 診察の結果、体調や既往歴によっては治療が適さないと判断される場合もあります。

肥満外来では必ず薬を使う必要がありますか?

必ずしも薬物治療を行うわけではありません。 診察時に生活習慣や体調、ご希望を確認したうえで、 医師が治療の必要性や適応を判断します。 ご相談のみで終了することも可能です。

どのくらいで体重は減り始めますか?

体重の変化には個人差があります。 治療開始後、数週間から徐々に変化を感じる方もいますが、 減量のスピードや効果の出方は生活習慣や体質によって異なります。 無理のないペースで継続することが大切です。

副作用はありますか?

治療開始初期に、吐き気・胃の不快感・便秘・下痢などの 消化器症状がみられることがあります。 多くは一時的ですが、症状が強い場合には用量調整などを行っていきます。

なお、GLP-1受容体作動薬は単独使用では低血糖を起こしにくいとされていますが、 糖尿病治療薬を使用中の方では注意が必要な場合があります。 該当する方は、診察時に必ず医師へお知らせください。

初診当日に薬は受け取れますか?

肥満外来で使用するお薬は、初診時に診察と治療内容の説明を行い、 同意をいただいた後に発注を行っています。 そのため、お薬のお渡しは後日改めてご来院いただいた際となります。 なお、初診時には診察・カウンセリング後に会計を先にお済ませいただきます。