TOPへ

ブログ

インフルエンザワクチンで期待できること

一般内科

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの院長の浅野です。
毎年秋になると「インフルエンザの予防接種は本当に必要ですか?」と患者さんからよく聞かれます。私自身、呼吸器専門医・総合内科専門医としてたくさんの患者さんを診てきました。その経験から、インフルエンザワクチンは「ただ風邪をひきにくくするための注射」ではなく、重症化を防ぎ、合併症を抑え、命を守る大事な手段だと思うので、ぜひ皆様にもその知識を知っておいてほしいと思います。

当院では10月からワクチン接種の予約を受け付けています。この記事を読んで「今年は接種してみようかな」と思われた方は、ぜひ予約ページからご予約ください。

なぜインフルエンザワクチンが必要なのか

インフルエンザは高熱と倦怠感だけの病気ではないです。実際には肺炎や脳炎、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすこともあります。特に高齢者や持病をお持ちの方は、インフルエンザそのものよりも合併症で入院・重症化してしまうケースが多く見られるんです。

普段の外来においても、「インフルエンザから肺炎になって入院した」「喘息が悪化して呼吸が苦しくなった」という方を毎年のように拝見します。ワクチン接種は、こうしたリスクを大きく減らしてくれるんです。

インフルエンザワクチンで期待できる主なメリット

1. 発症そのものを減らす

もちろんワクチンは100%感染を防げるわけではありません。でも、接種していない方に比べると発症のリスクをかなり下げられることが確認されているんです。特に学校や介護施設など、集団生活をしている場面では周りへの感染拡大を防ぐ効果も期待できます。

2. 重症化を防ぐ

日常診療で一番強く実感するのはこの効果なんです。ワクチンを接種していた方は、もしインフルエンザにかかっても症状が軽く済むケースが圧倒的に多いんです。高熱が出ても回復が早かったり、肺炎に進まずに済んだりすることが期待できます。特に高齢者や持病を持つ方にとっては、この「重症化予防」が大きな安心につながります。

3. 合併症を減らす

  • 肺炎:高齢者では最も注意が必要な合併症で、死亡の原因にもなります。ワクチン接種によって肺炎のリスクを下げられると報告されています。
  • 心筋梗塞・脳梗塞:インフルエンザにかかると血管が炎症を起こして血栓(血の塊)ができやすくなります。ワクチンを打つことで、こうした心血管のリスクを下げられる可能性があるんです。
  • 喘息やCOPDの悪化:呼吸器専門医として特に感じるのはここになります。喘息や肺気腫を持つ方は、インフルエンザをきっかけに発作や息苦しさが強くなることがあります。ワクチン接種でそのリスクを減らすことが期待できます。

4. 社会的なメリット

ワクチンは自分の身を守るだけじゃなくて、家族や周囲の人を守る手段でもあるんです。特に小さなお子さんや高齢者と一緒に暮らしている方は、接種によって「大切な人を守る」ことにつながります。

年齢や持病ごとにみる、接種のメリット

高齢者の場合

65歳以上の方では、インフルエンザが直接の死因になることも少なくないです。肺炎や脱水、心不全を併発して急に体力が落ちてしまうケースも実際によく見ます。ワクチンはそうしたリスクを抑える「命を守る手段」なんです。

小児の場合

小さなお子さんは免疫がまだ未熟なので、インフルエンザ脳症といった重い合併症を起こすことがあるんです。私も救急で運ばれてきたお子さんを診たことがありますが、予防できるものならしてあげたいと思います。家族全員で接種することで、家庭内での感染拡大も防げるんです。

持病のある方の場合

糖尿病・心疾患・呼吸器疾患(喘息やCOPD)を持っている方は、インフルエンザで一気に状態が悪化して入院が必要になることが少なくないです。実際に「普段は安定していたのに、インフルエンザをきっかけに悪くなった」という方を毎年のように経験します。こうした持病悪化を防ぐためにも、ワクチン接種はとても意味があるんです。

よくあるご質問

Q. 副作用はありますか?

接種部位の赤みや腫れ、軽い発熱が出ることはありますが、ほとんどは数日で良くなります。重い副作用は非常にまれなので、安心して受けていただけます。

Q. 毎年打つ必要はありますか?

インフルエンザウイルスは毎年のように変化するのが特徴です。その年に合ったワクチンが毎年作られるので、毎年接種する必要があるんです。

Q. 接種のタイミングはいつがいいですか?

抗体ができるまでに2週間くらいかかるので、流行が始まる前の10月〜11月に接種するのがおすすめです。当院では10月の開院日から接種を開始しております。

まとめ

インフルエンザワクチンは「かからないための注射」だけではなくて、重症化や合併症を防ぐ大切な予防策なんです。高齢者や持病を持つ方、小さなお子さんのいるご家庭では特に効果を実感していただけると思います。

私たち元八事ファミリー内科クリニックでは、地域のみなさんが安心して冬を過ごせるように、10月からインフルエンザワクチンの接種を開始しています。ご希望の方はぜひこちらの予約ページからご予約ください。

大切なご自身とご家族を守るために、今年も早めのワクチン接種をおすすめしたいと思います。