マンジャロなどのGLP-1は、肥満改善に加えて内臓保護作用もある?
マンジャロなどのGLP-1は
痩せる薬「だけ」ではありません
こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
当院では、最近メディカルダイエットを開始しました。
それに伴い、最近、「マンジャロ」などの肥満治療薬について聞かれることが増えてきました。
GLP-1受容体作動薬(マンジャロ、リベルサスなど、以下GLP-1と略します)は、もともと糖尿病治療から始まった薬です。創薬の段階で食欲を抑える作用が注目され、最近になり肥満治療として広く知られるようになりました。
ただ、ここ数年の研究で見えてきたのは、体重だけでなく、体の中の臓器そのものを守る作用があるということなんです。
そこで今回のブログでは、マンジャロなどのGLP-1が、肥満改善に加えて内臓保護作用もある?
GLP-1とは何か|体の中で何をしているホルモン?
GLP-1は、私たちの腸から分泌されるホルモンです。食事をすると出てきて、脳や胃、膵臓に満腹感を伝える役割を担っています。
薬としてのGLP-1は、この働きに着目して創薬された薬剤です。
そして、このGLP-1というのは、単なる「食欲を止める薬」ではなく、脳・胃・脂肪・筋肉が同時に反応するのが特徴でもあるんです。
脳・胃・脂肪・筋肉が連動する肥満改善効果
脳への作用|満腹感が続く理由
GLP-1は脳の食欲中枢に直接働きかけます。
「まだ食べたい」という信号を静かに抑え、満腹感を長く保つ働きがあるんです。
なので、無理に我慢している感じが少なくダイエットを取り組むことができる点で、従来の食事制限とは違うんです。
胃への作用|食べたものがゆっくり進む
食べ物が胃にとどまる時間が長くなります。
その結果、少量でも「お腹いっぱい」と感じやすくなる。食後すぐに間食したくなる人ほど、この変化を実感しやすうなります。
脂肪への作用|溜めるより使う方向へ
GLP-1は脂肪分解を促し、熱として消費しやすい状態にします。
なので、体は少しずつ「溜め込むモード」から「使うモード」へ変化します。この点も、ダイエットのためには大切なポイントです。
筋肉への作用|動いた分が報われる体に
筋肉への血流が増え、糖の取り込みが良くなります。
つまり、同じ運動でも効率が上がる。
「前より疲れにくい」「動くのが苦じゃなくなった」と感じる方がいます。
心臓と血管を守る効果
GLP-1には抗酸化作用(体をサビから守る働き)があります。
血管の内側で起こる炎症を抑え、血管のしなやかさを保つ方向に働きがあるんです。
その結果、
・心臓の負担が軽くなる(心臓保護作用)
・動脈硬化の進行が緩やかになる(血管の抗酸化作用)
などが期待できるんです。
脳への影響|神経を守る可能性
GLP-1は脳内の炎症を抑え、神経細胞を守る作用が注目されています(神経細胞保護作用)。
パーキンソン病やアルツハイマー病への期待もあり、研究が進んでいるところなんです。
肝臓を守る|脂肪肝から肝硬変までの流れを止める
肥満と強く関係するのが脂肪肝。
放置すると、脂肪肝炎、肝線維化、肝硬変へと進んでしまうこともあります。この過程の中心にあるのが「炎症」です。
マンジャロなどのGLP-1は、
・脂肪の蓄積を減らす
・肝臓の炎症を抑える
この二つの働きが期待できます。
実際に、肝炎や線維化の改善が報告されていたりするんです。
肺への作用|呼吸器専門医として注目している理由
呼吸器専門医の立場からは、GLP-1が肺に及ぼす影響に、強い関心を持っています。
研究レベルでは、
・気管支喘息
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
・肺線維症
・間質性肺炎
・肺高血圧症
これらに対する改善作用が示唆されています。
関節リウマチや膠原病の患者さんでは、肺の合併症が問題になることがあります。そうした方にとって、体重減少以上の意味を持つ可能性があるのではないかと期待しています。
腎臓への影響|静かに進む腎機能障害にブレーキを
糖尿病性腎症は、症状が出にくい病気です。
GLP-1の抗炎症作用は、腎臓の細かい血管を守る方向に働く効果も、期待できるんです。
最後に
GLP1は、糖尿病の改善効果があるという従来の薬効に加えて、体重減少効果があることが注目されています。
この体重効果に加えて、全身の様々な臓器に対して、保護効果が期待されているんです。
名古屋市天白区にあります元八事ファミリー内科クリニックでは、肥満外来(メディカルダイエット)を2026年に入ってから開始することにしました。マンジャロ、リベルサスによる肥満治療(ダイエット)に興味がある方は、ぜひ一度当院までご相談いただければと思います。
p>記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)
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