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コーヒーの健康的効能

健康の豆知識

コーヒーは本当に体にいいの?
医学的エビデンスは?

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。

朝の一杯のコーヒー。
「目が覚めるから飲んでいる」そんな方が多いですよね。

でも最近、「コーヒーは体にいいらしい」と耳にしたことはありませんか?

一方で、
「胃に悪いのでは?」
「動悸がするから控えた方がいい?」
そんな不安もあると思います。

先日、スタッフから甘いものがあまり好きではない私のために、コーヒーをプレゼントでいただきました!
(スタッフの皆さん、ありがとうございました!)

そこでせっかくなので、コーヒーに関わる健康効果についてまとめてみましたので、
コーヒーがお好きな方は、ぜひ一度見ていただければと思います!

 

コーヒーに含まれる主な成分

コーヒーには大きく3つの重要成分があります。

① カフェイン

中枢神経を刺激し、眠気を覚ます成分。
血管を広げ、気管支(空気の通り道)をわずかに拡張させる作用もあります。

② ポリフェノール(クロロゲン酸)

抗酸化作用(体のサビを防ぐ働き)が強い成分。
炎症や老化との関連が研究されています。

③ マグネシウム・カリウムなどの微量栄養素

量は多くありませんが、代謝や血圧に関係します。

では実際に、どんな病気との関連が示されているのでしょうか。

コーヒーの医学的に示されている健康効果

1. 心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中)のリスク低下

2017年に医学誌BMJに掲載された大規模メタ解析では、
1日3〜4杯のコーヒー摂取が、心血管疾患のリスク低下と関連することが示されました。

Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes

BMJ. 2017 Nov 22:359:j5024. doi: 10.1136/bmj.j5024.

ポイントは「適量」という点です。
飲みすぎではありません。

ポリフェノールの抗酸化作用や血管内皮機能(血管の内側の働き)改善が関与していると考えられているそうです。

高血圧の患者さんでも、極端な過量でなければ大きな悪影響は少ないというデータもあります。

2. 2型糖尿病の発症リスク低下

コーヒー摂取と糖尿病の関係は、かなり研究が進んでいます。

2014年、医学誌Diabetes Careに掲載された解析では、
1日1杯増えるごとに2型糖尿病の発症リスクが約6%低下すると報告されました。

Caffeinated and decaffeinated coffee consumption and risk of type 2 diabetes: a systematic review and a dose-response meta-analysis
Diabetes Care. 2014 Feb;37(2):569-86.

この論文では、クロロゲン酸がインスリン感受性(血糖を下げる働きの効きやすさ)に影響する可能性が指摘されています。

もちろん、砂糖たっぷりの甘いコーヒーでは意味がありません。
ブラック、あるいは無糖が基本になってきます。

 

3. 肝臓への保護作用

コーヒーと肝臓の関係は、数ある健康効果の中でも比較的エビデンスが蓄積されている分野です。

これまでの大規模観察研究やメタ解析では、コーヒー摂取と
・慢性肝炎
・脂肪肝(NAFLD:アルコール以外が原因の脂肪肝)
・肝硬変
・肝細胞がん

のリスク低下との関連が繰り返し報告されています。

特に2017年にBMJに掲載されたレビューでは、肝疾患関連死亡や肝がんリスクの低下とコーヒー摂取との関連が示されました。

Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes
BMJ. 2017 Nov 22:359:j5024.

さらに、European Association for the Study of the Liver(EASL)が発表している肝疾患関連ガイドラインでも、コーヒー摂取と肝細胞がんリスク低下との関連が紹介されています。

EASL Clinical Practice Guidelines: Management of hepatocellular carcinoma
J Hepatol. 2018 Jul;69(1):182-236.

コーヒーに含まれるクロロゲン酸などのポリフェノールが、
抗酸化作用(細胞のサビを防ぐ働き)や抗炎症作用を通じて肝臓を守る可能性が考えられています。

4. 一部の呼吸器への作用

カフェインはテオフィリン(気管支拡張薬)と似た構造を持っています。

そのため、軽度の気管支拡張作用があることは比較的知られていることです。

実際、気管支喘息(空気の通り道が炎症で狭くなる病気)のある方で、「コーヒーを飲むと少し楽」という声を聞くことがあります。

ただし治療の代わりにはなりません。
ここは誤解しないでいただければと思います。

 

 

 

よくある誤解

コーヒーは胃に悪い?

空腹時の大量摂取は胃酸分泌を刺激します。
胃炎がある方は注意が必要かと思います。

しかし、通常量で重篤な胃障害を起こす根拠は乏しいです。

不整脈の原因になる?

カフェインで一時的に脈が速くなることはあります。

ただし、通常摂取量で重大な不整脈を引き起こす明確な証拠は多くありません。

動悸が出る方は量を減らす。それで十分なことが多いです。

コーヒーの適量はどれくらい?

多くの研究で「1日3〜4杯」までが目安とされています。

カフェイン量でいうと1日400mg未満。

妊娠中の方は200mg未満が推奨されています。

ただし、エナジードリンクとの併用には注意してください。エナジードリンクにはかなりカフェインが含まれていますので、知らないうちに過量になっていることがあります。

最後に

 

今回は「コーヒーと健康効果」というテーマで、医学的エビデンスをもとに整理してみました。

コーヒーのように、日常に当たり前にあるものほど、正しい情報と誤解が混ざりやすいものです。
このブログでは、病気や疾患に関わる話題はもちろん、「これって体にいいの?」とふと気になる健康情報についても、専門医の視点でわかりやすく発信していきます。

名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックでは、咳や喘息などの呼吸器疾患をはじめ、糖尿病、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪の異常)、高血圧といった生活習慣病まで幅広く診療しています。

「この症状、様子を見ていて大丈夫かな」
「健康診断で引っかかったけれど、どうしたらいいのか分からない」

そんなときに、気軽に立ち寄れる場所でありたい。
小さなお子さんからご高齢の方まで、ご家族みなさんの“かかりつけ医”として寄り添うことを大切にしています。

体調のこと、検査結果のこと、日々の健康習慣のこと。
どんな小さなことでも構いません。

気になることがあれば、どうぞ一度ご相談ください。

 
 

記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)

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