夜に咳がひどくなる理由
夜になると咳がひどくなる
こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。当院は呼吸器内科の専門ということもあって、咳を主訴の方にたくさん来院いただいております。その際に大事にしているのが、咳の出る時間帯なんです。
実際に、診察室で患者さんから
「昼間はそれほどでもないのに、夜になると咳が止まらなくなるんです」
「横になると咳き込んで眠れません」
などというお声をたくさんいただくことがあります。
夜の咳は、単なる風邪の名残と思われがちですが、体の仕組みや生活環境、病気そのものが深く関係していることが多いんです。
そこで今回のブログでは、なぜ夜になると咳が悪化しやすいのか、どんなときに受診してほしいのかなどについて、書いてみたいと思います。
なぜ「夜」になると咳が出やすくなるのか
自律神経の切り替わりが影響する
人の体は、昼は活動モード、夜は休息モードに切り替わります。 この切り替えを担っているのが自律神経(体の調子を自動的に整える神経)です。 夜になると副交感神経が優位になるので、気道(空気の通り道)が少し狭くなりやすくなります。 その結果、わずかな刺激でも咳が出やすくなるんです。
「昼は我慢できるけど、夜になると急につらくなる」 こうした訴えは、まさにこの影響を受けていることが多いんです。
横になる姿勢が咳を誘発する
夜は布団に入り、横になりますよね。 この姿勢が咳の引き金になることがあります。 鼻水や痰(たん)が喉の奥に流れ込み、喉を刺激するためです。 これを後鼻漏(こうびろう:鼻水が喉に落ちる状態)と呼びます。
「寝ると喉がイガイガする」 「痰が絡んで夜中に目が覚める」 こうした声は、診療の現場でとてもよく聞きます。
夜は咳に意識が向きやすい
昼間は仕事や家事、会話などで気が紛れますが、夜は周囲が静かになります。 すると、ちょっとした咳でも強く意識してしまい、咳が続いてしまうことがあります。
夜の咳に隠れていることが多い病気
咳喘息(せきぜんそく)
「ゼーゼーしていないから喘息じゃないと思っていました」 これは外来でよく聞く言葉です。 咳だけが続くタイプの喘息を、咳喘息といいます。 特に夜間や明け方に咳が悪化するのが特徴です。
放置すると、本格的な喘息に移行することもあります。なので、夜の咳は放置しないで、早めに相談してもらうことをお勧めしたいです。
気管支喘息
喘息は子どもの病気と思われがちですが、大人になってから発症する方も少なくありません。 夜から明け方にかけて、咳や息苦しさが強くなるのが典型的なパターンです。
逆流性食道炎
胃の病気が咳の原因になることもあります。 横になることで胃酸が食道や喉に逆流し、咳を引き起こしやすくするんです。
「胸やけはないけど、夜だけ咳が出る」という方は注意が必要です。
アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎
鼻の病気が原因で、夜に咳が悪化することもよくあります。 花粉やハウスダストなど、寝室環境の影響を受けやすいのが原因の一つです。あとは寝る姿勢によって後鼻漏(こうびろう)が起きやすくなるのも、原因となります。
受診してほしい咳
こんなときは早めにご相談ください
- 夜になると毎晩のように咳が出る
- 2週間以上、咳が続いている
- 咳で眠れず、日中の生活に支障が出ている
- 市販薬を使っても改善しない
- 息苦しさや胸の違和感を伴う
まとめ
夜に悪化する咳は珍しいものではありません。 ただ、「よくあること」で片付けてしまうと、治るまでに時間がかかってしまったり、隠れている原疾患が悪化することもあり得ます。
元八事ファミリー内科クリニックでは、長引く咳の診療については、数多く対応しております。咳が続く、夜になると咳が出る、などの症状がある方は、ぜひ一度名古屋市天白区にある元八事ファミリー内科クリニックにご相談いただければと思います。
記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)
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