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「糖尿病患者」や「糖尿病予備軍」は認知症になりやすい?

一般内科  / 生活習慣病  / 糖尿病

はじめに 

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
「糖尿病だから認知症になるの?」という声を聞いたことがあります。結論を先に言うと、糖尿病や糖代謝の異常は“認知症のリスクを高める要因”になり得ます。ただし、だからといって必ず認知症になるわけではなく、しっかりと対策することで、リスクを下げられることも多いんです。そこで今回のブログでは、糖尿病と認知症との関連性について、お話をしていきたいと思います。

糖尿病と認知症が「つながる」理由

血管へのダメージ(脳血管性リスク)

血糖が慢性的に高い状態が続くと、血管の壁がダメージを受けやすくなります。脳の細い血管が障害されると、脳の一部に小さなダメージが蓄積し、物忘れや判断力の低下につながることがあるんです。特に、高血圧や高コレステロールを合併している方では、脳血管性の認知症が増えることはあるんです。

インスリン抵抗性と脳のしくみ

2型糖尿病で問題になる「インスリン抵抗性」は脳でも起こり得ます。インスリンはただ血糖を下げるだけでなく、脳で記憶や学習に関わる働きにも関係していると考えられているため、インスリンの効きが悪いと認知機能に悪影響が出やすい可能性があるんです。

慢性の炎症・酸化ストレス

高血糖や代謝異常は体の中で慢性的な炎症(ちょっとした火事のような状態)や酸化ストレス(細胞の疲労)を引き起こします。これが長く続くと、神経細胞に悪影響を与え、認知機能の低下につながることがあります。

「糖尿病予備軍」でも安心はできないの?

健診で「境界型」「糖尿病予備軍」と言われた方はよく「まだ大丈夫」と思いがちです。でも実際には、予備軍の段階でも将来の認知症リスクがわずかに上がるという報告があります。だからこそ、早めの生活習慣対策がとても重要になってくるんです。

 

認知症リスクを下げるための具体策

1) 血糖の「安定」を目標にする

極端な上下は脳に負担をかけてしまいます。食後の急激な血糖上昇や、夜間の低血糖を避けることが望ましいです。そのためには、定期的に通院をして、血糖コントロールをしっかりとしていく必要があります。

2) 血圧・脂質もいっしょに管理する

血管の健康は脳の健康と直結します。血圧やコレステロールの管理を、糖尿病と並行して行うことが大切です。

3) 食事の具体例

・糖分の多い飲料やお菓子の頻度を減らす。
・主食(ごはん・パン)の量を調整し、野菜を先に食べる「ベジファースト」を取り入れる。
・魚中心の献立や、オリーブオイルなど良い脂を上手に使う。

4) 無理のない運動の習慣

毎日20〜30分の速歩や、週に数回の筋力トレーニングがお勧めです。運動はインスリンの効きを良くし、脳に良い刺激も与える効果が期待できます。

5) 睡眠・ストレス対策も

質の良い睡眠とストレスの軽減は、炎症を抑え、認知機能の維持に役立ちます。

 

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よくある質問(Q&A)

Q: 「糖尿病予備軍」と言われただけでそんなに心配?

A: 早めに生活習慣を見直すことで将来のリスクは下げられます。放置せず、ぜひ一度相談してみてください。

Q: 血糖コントロールだけで十分ですか?

A: 血糖は重要ですが、血圧や脂質、睡眠、運動など「全体」を整えることが鍵です。

Q: どんな検査を受ければ良いですか?

A: HbA1c、随時血糖、空腹時血糖、血圧、脂質などを定期的にチェックすることをお勧めします。

まとめ 

糖尿病や糖尿病予備軍であることは、認知症のリスク要因の一つになりえます。なので、糖尿病がある、あるいは糖尿病になっていないかどうか心配という方は、一度当院にまでご相談ください。

 

記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)

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