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インフルエンザA型とB型、どう違うの?

一般内科

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。今年はインフルエンザが例年にも増して早期流行していて、12月の段階でB型も出ているようになっています。インフルエンザに関してよく聞かれるのが、
「A型とB型って、結局どう違うんですか?」
という質問です。

そこで今回のブログでは、インフルエンザのA型とB型で、何か違いがあるのか。という内容をテーマに、書いてみたいと思います。

A型とB型の“違い”はどこにある?

インフルエンザウイルスにはいくつかのタイプがありますが、私たちが季節性に経験するものは主に A型 と B型 です。
では、この2つは何が違うのでしょうか。

A型は“種類が多い・変化しやすい”ウイルス

A型は、ウイルス表面にある抗原(HやNと呼ばれる部分)の組み合わせがいくつもあり、
H1N1やH3N2など、毎年の流行株が大きく変わりやすい ことが特徴です。

さらに、A型はヒトだけでなく 鳥や豚など動物にも感染する ため、ウイルス同士が混ざり合い、突然大きく姿を変えることがあります。
これを 抗原シフト といいます。

抗原シフトが起こると、私たち人類が免疫を持たない“全く新しいタイプ”が現れ、過去には世界的な大流行(パンデミック)を引き起こしたこともあります。

B型は“人間の中だけで循環する”ウイルス

一方でB型は、基本的に 人間の間だけ で広がります。
A型のように劇的に姿が変わることは少なく、比較的安定しているんです。

ただし「安定している=軽い」というわけではありません。
後ほど詳しく書きますが、B型でも重症化することは珍しくない ので、油断は禁物なんです。

流行のしかたにも違いがあるんです

診察していると、毎年の流行の“波”にもA型・B型それぞれの特徴が見えてきます。

最初にA型、そのあとにB型が増えることが多い

典型的には、

冬の入り口〜真冬:A型が急増

春先:B型がピーク

という流れになることが多いです。

外来でも「1月はA型ばかりだな」と思っていたら、3月ごろからB型の患者さんが急に増えてくる年があります。
いわゆる“第二波”のように感じる方も多いと思います。
(今年は例外的に、流行のタイミングが早いですが…)

年齢による傾向もあるが「絶対」ではない

一般的には、

大人 → A型にかかりやすい

子ども → B型の割合がやや多い

と言われますが、これはあくまで傾向です。

実際には、
高齢の方がB型で肺炎になったり、A型で子どもがぐったりする
というケースも珍しくありません。

症状で「A型かB型か」を見分けられる?
答えはNO

 

症状だけで型を当てるのは、医師でも無理なんです

確かに、臨床では

B型は子どもで消化器症状(腹痛・嘔吐)が出ることがある

という傾向はあります。
しかし 絶対ではありません。

A型でも腹部症状が出ることはありますし、B型でも高熱・悪寒・全身痛など典型的なインフルエンザ症状が見られます。

つまり、
症状だけでA型・B型を判別することはできないんです。

正確に知るためには、
医療機関での検査が必要になってきます。

「B型は軽い」は完全な誤解

B型でもA型と同じように重症化することがあります

実際、入院が必要になるような重症例を比べると、
「A型だから重い」「B型だから軽い」
という明確な差はありません。

特に、

高齢者

基礎疾患がある方(心臓病・肺の病気・糖尿病など)

体力が落ちている方

これらの方に関しては、A型・B型どちらでも肺炎・脳症などの合併症が起こり得るんです。

一度かかったから今シーズンは大丈夫? 

「今年はA型にかかったから、もうインフルエンザにはかからないですね」

  ↑

この質問は、外来で非常によく言われます

残念ながら、これは正しくありません。

A型とB型は“別のウイルス”。両方かかることがあります

A型が治って免疫ができても、
B型に対しての免疫にはほぼ影響がありません。

そのため、
同じシーズンにA型→B型(逆もあり)で2回かかることは普通にあります。

毎年“年末にA型、春にB型”という家族もいらっしゃいます。
特に小さな子どもがいるご家庭では、本当に多いんです。

予防で一番大事なのは
「ワクチン」と「早めの受診」

ワクチンはA型・B型どちらにも対応しています

現在のインフルエンザワクチンは、
A型2種類・B型2種類(計4価ワクチン) が標準です。

もちろん100%防げるわけではありませんが、

発症しにくくなる

かかっても重くなりにくい(重症化の予防効果)

という効果は確実にあります。

特に高齢の方や持病のある方は、ワクチンを受けておくことで肺炎などの重症化リスクを大きく下げられます。

症状が出たら、できれば48時間以内に受診を

抗インフルエンザ薬は、症状が出始めてから 48時間以内に治療を開始する必要があります。

「様子を見ていたら悪化した」というケースはよくあるので、ぜひ早めの受診をしてもらうことをおすすめします。

インフルエンザかな?と思ったら
いつでも相談してください

A型とB型の違いを詳しく説明してきましたが、最も大切なのは

「型よりも、今の体調がどうか」
「重症化のサインがないか」

なんです。

いつもより息がしにくい

高熱が何日も続いている

食事や水分が取れない

持病が悪化している気がする

こうした症状がある場合は、無理をせず医療機関にご相談ください。

元八事ファミリー内科クリニックでは、
常に発熱外来を設けていますので、熱が出た、体調が悪くなった、などの症状があれば、早めに受診していただければと思います。

まとめ

①A型は“変化しやすく種類が多い”、B型は“人の中だけで広がる”

②流行のピークはA型が先、B型は春先に増える

③症状だけで型は判別できない

④B型が“軽い”というのは誤解

⑤A型→B型など、同じシーズンに2回かかることもある

⑥ワクチンと早期受診が重症化予防のカギ

気になる症状がある時には、どうぞお気軽に当院まで相談してください。

記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)

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