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睡眠不足だと風邪をひきやすい?

一般内科

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。普段の診療の中で、「最近よく風邪をひくんです」「寝不足が続いていて…関係ありますか?」と相談されることがたびたびあります。
実は、睡眠不足と風邪には“はっきりとした関連”があるんです。これは経験則ではなく、ちゃんと医学的にも多くのデータで裏付けられています。そこで今回のブログでは、「睡眠不足が風邪をひきやすくする理由」について、わかりやすく取り上げていきたいと思います。

なぜ睡眠不足で風邪をひきやすくなるのか?

睡眠は“免疫のメンテナンス時間”

私たちの体は、眠っている間に免疫細胞の働きを整えています。
特にウイルスと戦う T細胞やナチュラルキラー細胞(NK細胞) が睡眠中に準備されるため、睡眠が不足するとウイルスに対する抵抗力が落ちやすくなるんです。

研究でも証明される
“睡眠と風邪の関係”

6時間未満の睡眠で発症リスクが急上昇

複数の研究で、
「6時間未満の睡眠が続くと風邪の発症リスクが大幅に上がる」
という結果が示されています。

7時間以上眠る人に比べ、5〜6時間睡眠の人は風邪リスクが約4.2倍

5時間未満だと約4.5倍

これは、日々少しずつ寝不足が積み重なるだけでも、免疫がしっかり働けない状態になってしまうということなんです。

“途中で目が覚める”睡眠の質も大事

睡眠効率(ベッドにいた時間のうち実際に眠っていた割合)が低下すると、風邪にかかりやすくなります。

この“途中で何度も目が覚める”という症状、実は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者さんでもよく見られます。
最近当院でも、「気付かないうちに夜に何度も呼吸が止まっていて、睡眠が浅くなっていた」という相談を受けるケースが増えてきている印象です。

睡眠不足は
→ワクチンの効き目にも影響する

ワクチンの効果を決めるのは、どれだけしっかり抗体が作られるか、この抗体づくりにも、睡眠が深く関わっています。

寝不足だと“抗体量が半分以下”に

ある研究では、ワクチン接種前に睡眠を4時間しかとらなかったグループは、十分に眠れた人の半分以下の抗体量になっていたそうです。

Effect of sleep deprivation on response to immunization.

JAMA. 2002 Sep 25;288(12):1471-2. 


別の研究では、 睡眠6時間未満の日が続くと、ワクチンの抗体反応が大幅に低下 することが示されています。

A meta-analysis of the associations between insufficient sleep duration and antibody response to vaccination.

Curr Biol. 2023 Mar 13;33(5):998-1005.e2.

これらのエビデンスは、インフルエンザワクチンや新型コロナワクチンなど、普段私たちが接種するワクチンでも同様のことが言えますので、注意が必要かと思います。

適切な睡眠時間の目安

すばり、風邪の発症リスクを抑えるための、理想的な睡眠時間は、
成人:7〜9時間、65歳以上:7〜8時間程度必要みたいです!

「そんなに眠れません…」という方も多いかと思います。睡眠時間が十分確保できない場合には、まずは“眠りの質”を整えることから始めてみてください。

もし、

寝ているはずなのに日中の眠気が強い

朝起きたときに頭が重い

家族から「いびきが大きい」「息が止まっている」と言われる

といった症状がある場合、単なる寝不足ではなく、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
この場合は、どれだけ長く寝ても、免疫は回復しにくいんです。

今日からできる“免疫を落とさない睡眠習慣”

① 寝る2時間前のスマホを控える

ブルーライトは脳を覚醒させてしまいます。寝る2時間前からは、スマホの使用を控えるようにしてもらうことが、良眠のコツだったりします。

② 寝る前に軽いストレッチ

副交感神経が働き、眠りに入りやすくなります。

③ アルコールはほどほどに

アルコールは寝つきがよくなると思っている人が多いと思いますが、仮に寝つきが良くても、眠りが浅くなる原因になってしまうので、良眠とはぎゃう効果になってしまうんです。

④ 朝の光で体内時計を整える

リズムが整うと夜に自然と眠くなる効果があります。

「寝ているのに疲れが取れない」場合は検査をおすすめします

睡眠時間を確保しているはずなのに、

朝スッキリ起きられない

昼間に強い眠気がくる

何度も目が覚めてしまう

風邪をひきやすくなった

という方は、睡眠の質そのものが低下している可能性があります。

特に、
いびき・夜間の息止まり・日中の強い眠気 がある場合は、
睡眠時無呼吸症候群(SAS)を疑った方が良いケースも多いです。

当院では、自宅で簡単にできる睡眠時無呼吸症候群の検査を積極的に取り入れています。
「検査までは…」と不安になる方もいらっしゃいますが、痛みもなく、寝る前に機器をつけるだけで検査ができますのでご安心ください。

必要な方には、検査結果を踏まえて治療や生活改善のアドバイスもしていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

まとめ:
睡眠は“最強の予防薬”です

風邪予防、免疫力の維持、ワクチン効果の最適化——
どれも睡眠が深く関わっています。

「よく寝ているのに疲れが取れない」
「風邪を繰り返してしまう」

こういった方は、一度睡眠そのものを見直すだけで症状が大きく改善することが多いです。

気になる症状があれば、ぜひ一度元八事ファミリー内科クリニックにお気軽にご相談ください。

 

記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)

 

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