地球温暖化で花粉症は年々ひどくなる?
こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
「昔より花粉症がつらい気がする」
このように感じている人はいませんか?
実は、花粉症は年々悪化していると指摘されているんです。その背景にあるのが、地球温暖化なんです。

温暖化は、私たちの生活だけでなく、花粉の量や飛散期間にも影響を及ぼすことがわかっています
結果として、花粉症の症状が強くなる人が増えていく可能性があるんです。
そこで今回のブログは、
・なぜ温暖化で花粉症が悪化するのか
・これからどう対策していくべきか
という内容について、書いてみたいと思います。
温暖化で花粉の量は増える
花粉症が悪化する一番の理由は、花粉量の増加です。
スギやヒノキは、前年の夏の気温が高いほど花粉を多く作る性質があります。
つまり、猛暑の年の翌春は花粉が多くなる傾向があるんです。
日本の夏はここ数十年で確実に暑くなりました。
その影響で、花粉量も増加傾向にあります。
環境省の観測でも、地域によってはスギ花粉の飛散量が増えていることが報告されています。
花粉症の患者さんが増えている理由のひとつは、この花粉そのものの増加なんです。
花粉が飛ぶ期間も長くなる
温暖化の影響は量だけではありません。
花粉シーズンそのものが長くなることも問題です。
花粉は気温が上がると飛び始めます。
冬が暖かいと、スギ花粉の飛散開始は早くなります。
さらに春の気温も高い状態が続くと、飛散が長引きやすくなるんです。
つまり
・飛び始めが早くなる
・終わりが遅くなる
結果として、花粉症の期間が長くなります。
CO₂増加で花粉がさらに増える
温暖化と同時に進んでいるのが、大気中のCO₂(二酸化炭素)の増加です。
植物はCO₂を使って光合成を行います。
CO₂が増えると、植物は成長しやすくなります。
その結果、花粉を作る量が増えると考えられているんです。
この関係は、過去の論文でも議論されていたりします。
Production of allergenic pollen by ragweed (Ambrosia artemisiifolia L.) is increased in CO2-enriched atmospheres.
Ann Allergy Asthma Immunol. 2002 Mar;88(3):279-82.
つまり
温暖化
+
CO₂増加
この2つが組み合わさることで、花粉症は今後さらに悪化していく可能性があるんです。
これから重要になる
「体質改善のための治療」
花粉量が増え、花粉シーズンも長くなる。
つまり、花粉症は今後ますますつらい病気になる可能性があります。
そこで注目されているのが、舌下免疫療法なんです。
これは、花粉症の原因となるスギのアレルゲン(アレルギーを起こす物質)を少しずつ体に慣らしていく治療です。
毎日薬を舌の下に置いて、1分後に飲み込みます。
これを続けることで
・花粉症症状の軽減
・薬の量の減少
・症状の長期的改善
こうした効果が期待できます。
舌下免疫療法はエビデンスのある治療
舌下免疫療法は、世界的にも確立されたアレルギー治療です。
代表的な研究として
Sublingual immunotherapy with once-daily grass allergen tablets: a randomized controlled trial in seasonal allergic rhinoconjunctivitis
Journal of Allergy and Clinical Immunology. 2006;117(4):802-809.
この研究では、舌下免疫療法により花粉症症状が有意に改善することが報告されています。また治療終了後も効果が続くことが示されています。
つまり、舌下免疫療法は花粉症の体質そのものにアプローチする治療なんです。
花粉症を毎年我慢していませんか?
花粉症は「仕方ないもの」と思われがちです。
でも
・薬が手放せない
・毎年つらい
・集中力が落ちる
・仕事や勉強に影響する
こうした状態が続くのは、決して珍しいことではありません。
地球温暖化の影響で花粉症は今後さらに強くなる可能性があります。
だからこそ、
症状を抑える治療だけでなく、体質改善を考える時代になっているのではないかと思います。
舌下免疫療法をご検討の方へ
元八事ファミリー内科クリニックでは、
・花粉症
・アレルギー性鼻炎
・咳喘息
・気管支喘息
など、さまざまなアレルギー疾患の診療に力を入れています。呼吸器症状やアレルギー症状について、総合内科・呼吸器の視点から丁寧に診療することを心がけています。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法(体質改善を目指す治療)は、花粉が飛んでいる時期には開始できません。
一般的には、スギ花粉シーズンが落ち着く初夏ごろから開始することが推奨されています。
そのため当院では、5月下旬〜6月頃から舌下免疫療法の初回導入を開始する予定です。
「今年の花粉症がとてもつらかった」
「毎年の症状を少しでも軽くしたい」
「舌下免疫療法に興味がある」
このようにお考えの方は、名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックまで、どうぞ気軽にご相談ください。
記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)
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