ヒートショックとは?真冬に気をつけたい体の危険な変化
ヒートショックとは?
こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
冬になると、ニュースで耳にすることがあります。
「自宅のお風呂で倒れていた」「入浴中に意識を失った」。
これらのニュース、実はとても身近な話なんです。
その背景にあるのが、ヒートショック。
寒暖差が引き起こす、突然の体の変化です。冬になると、どうしてもこのテーマを避けて通れません。
そこで今回のブログでは、ヒートショックについて、取り上げてみたいと思います。
ヒートショックは
「寒さ」そのものが原因ではありません
ヒートショックは、寒さが直接悪さをする現象ではありません。
問題なのは急な温度差です。
体の中で何が起きているのか
人の体は、寒い場所に行くと血管をキュッと縮めて体温を保とうとします。
逆に、暖かい場所では血管が広がります。
この切り替えが、あまりにも急だとどうなるか。
血圧が一気に上下し、心臓と脳に強い負担がかかります。
・暖かいリビング → 冷えた脱衣所
・冷えた体 → 熱い湯船
・布団の中 → 冷えきったトイレ
こうした場面で、体は必死に対応しようとする。
その結果、胸が苦しくなったり、クラクラしたりするんです。
「風呂場」が一番危ない理由
ヒートショックというと、お風呂を思い浮かべる方が多いですよね。
入浴は温度差のフルコース
冬のお風呂は、
・寒い脱衣所
・冷えた浴室
・熱いお湯
この三段構え。
血管にとっては、ジェットコースターのような状況です。
入浴関連の事故は、国内で毎年1万数千人規模と報告されています。
高齢の方が多いのは事実ですが、働き盛りの年代でも起こります。
「持病がないから大丈夫」、そう言い切れないのが現実なんです。
ヒートショックで出やすい症状
「ただの立ちくらみ」と思って見過ごされがちですが、注意したいサインがあります。
見逃してほしくない体の変化
- ・胸が締めつけられる感じ
・ドキドキする、脈が飛ぶ感じ(動悸)
・急にフワッとするめまい
・目の前が暗くなる
・一瞬、意識が遠のく
特に入浴中の失神は危険です。
転倒や溺水につながり、命に関わることもあります。
ヒートショックが起こりやすい人の特徴
以下に当てはまる方は、少し意識してほしいところです。
リスクが高まりやすい背景
- ・血圧が高い
・コレステロールや血糖が高め
・心臓や血管の病気を指摘されたことがある
・肥満、運動不足
・喫煙習慣がある
・睡眠不足が続いている
そしてもう一つ。
「最近、胸がドキッとすることがある」
「寒い日に動悸が増える」
この感覚も、そのままにしてほしくない訴えの一つになります。
お風呂以外でも起こります
ヒートショックは、浴室だけの話ではありません。
日常の中に潜む温度差
・暖房の効いた部屋から外に出た瞬間(特に、夜のトイレは要注意です)
・車の中から真冬の外気へ
・朝、布団から出るとき(朝起きた時に暖房が効いていないときは要注意です)
「寒っ」と思った瞬間、胸がヒヤッとする。
そんな経験、ありませんか?
冬の入浴で気をつけたいポイント
今日から意識してほしいことがあります。
安全な入浴のために
- ・脱衣所と浴室を先に温める
・お湯は39〜40℃くらい
・長湯をしない
・浴槽からはゆっくり立ち上がる
・飲酒後の入浴は避ける
寒い季節でも、水分不足は起こります。
脱水(体の水分が足りない状態)は、血圧変動を助長しますので、入浴前に十分に水分補充はするようにしてください。
胸痛・動悸がある方は要注意
ヒートショックは引き金にすぎないことがあります。
もともとあった心臓や血管のトラブルが、表に出てくる。
そんなケースも、少なくはありません。
なので、ヒートショックを疑う症状があった方は、動脈硬化の検査などを一度受けておくことをお勧めしたいと思います。
こんな症状があれば相談を
・入浴中に胸が苦しくなる
・寒い日に動悸が増える
・冬になると体調が不安定になる
最後に
冬は“温度差”が大きいことが最も問題であり、その際に起きやすいのがヒートショックなんです。
胸痛・動悸がある方は、ヒートショックが起こって症状が悪化しやすいため、症状が気になる方は、一度チェックしておくと安心だと思います。気になる症状があるときは、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)
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