なんとなく続く不調…それ、「隠れ貧血」かもしれません
こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
「なんだか体がだるい」
「最近、肌荒れが治らない」
「しっかり寝ているのに疲れが抜けない」
みなさんは、こんな不調を感じていたりしませんか?
風邪でもない。検査でも「異常なし」。
それでも体がすっきりしない。
実はこうした症状の背景に、隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)が潜んでいることが少なくありません。
健康診断では「貧血なし」と言われているのに、体の中では鉄不足が静かに進んでいる状態。
これがいわゆる「隠れ貧血」なんです。
そこで今回のブログでは、この隠れ貧血について、書いてみたいと思います。
隠れ貧血とは?体の中で起きていること
貧血という言葉を聞くと、
- めまい
- 立ちくらみ
- 顔色が悪い
こんな症状を思い浮かべる方が多いですよね。
医学的にいう貧血とは、血液が体に十分な酸素を運べない状態のことを指します。

血液の中には「ヘモグロビン」という物質があります。
これは酸素を運ぶトラックのような役割をしています。
ところが鉄が不足すると、このヘモグロビンが作れません。
すると体の細胞は酸素不足になります。
いわば体の中が軽い酸欠状態になっているわけです。
厚生労働省の調査では、月経のある20〜40代女性の約65%が貧血または隠れ貧血とされています。
つまり、多くの方が気づかないまま鉄不足の状態で生活しているということなんです。
隠れ貧血の症状
よくある症状
隠れ貧血では、はっきりした症状が出ないこともあります。
ただ、次のようなサインが出ていることが多いんです。
- 朝起きても体が重い
- 疲れやすい
- 頭がぼーっとする
- 顔色が悪い
- 息切れしやすい
- 動悸がする
- 髪が抜けやすい
- 爪が割れやすい
- 肌荒れが続く
一つ一つは小さな不調。
でも、いくつも重なっている方は要注意です。
隠れ貧血の特徴的なサイン
鉄不足には、少し特徴的な症状もあります。
- 氷を無性に食べたくなる(氷食症)
- 脚がむずむずして眠れない(むずむず脚症候群)
- 集中力の低下
- イライラ
- 耳鳴り
鉄は血液だけではなく、神経や免疫の働きにも関わっています。
そのため鉄不足になると、体だけでなく精神面の不調として現れることもあります。
隠れ貧血の原因
女性は特に起こりやすい
女性は月経によって鉄を失いやすいです。
特に
- 経血量が多い
- 子宮筋腫がある
- 出産後
- 授乳中
こうした状況では鉄不足が起こりやすくなります。
食事の影響
最近は次のような食生活も増えています。
- ダイエット
- 朝食抜き
- コンビニ食中心
- 肉をあまり食べない
鉄は体の中で作れません。
食事から補うしかない栄養です。
そのため食事内容が偏ると、鉄不足になりやすいんです。
実は病気が隠れていることも
鉄欠乏の背景には、病気が隠れていることもあります。
- 胃潰瘍
- 大腸ポリープ
- 大腸がん
- 子宮筋腫
特に閉経後の女性や男性の鉄欠乏では、消化管からの出血を疑う必要があります。
隠れ貧血の検査
健康診断では見つからないことが多い
健康診断で調べるのは主にヘモグロビンです。
基準の目安は次の通り。
- 男性:14g/dL未満
- 女性:12g/dL未満
この数値が正常なら「貧血なし」と判断されます。
でも、ここに落とし穴があります。
フェリチン検査が重要
鉄不足を調べる上で重要なのがフェリチンです。
フェリチンは体の鉄の貯金を示す数値。
たとえるなら
ヘモグロビン=生活費- フェリチン=貯金
生活費は回っているけれど、貯金がゼロに近い。
これが隠れ貧血です。
フェリチンは30ng/mL以下になると、症状が出やすいとされています。
隠れ貧血の治療
鉄剤治療
鉄不足がはっきりしている場合、鉄剤を使います。
よく使われるのが
- フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)
鉄は体に蓄える必要があるため、治療は3〜6か月ほど続くことが多いです。
途中でやめると再発しやすいので、検査を見ながら調整します。
食事でできる鉄対策
鉄には2種類あります。
- ヘム鉄(肉・魚)
- 非ヘム鉄(野菜・豆)
吸収率は
- ヘム鉄:約25%
- 非ヘム鉄:約3〜5%
鉄を効率よく取るには
- 赤身肉
- レバー
- マグロ
こうした食品を意識するのが大切です。
さらに、ビタミンCと一緒に取ると吸収率が上がります。
逆に
- コーヒー
- 緑茶
に含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げてしまいます。
なので、コーヒー、緑茶は、食事の最中は控えてもらうといいと思います。
こんな症状があれば一度相談を
次のような症状が続く場合は、鉄不足が隠れている可能性があります。
- 原因不明のだるさ
- 疲れやすい
- 息切れ
- 頭痛
- 集中力低下
- 肌荒れ
「なんとなく調子が悪い」。
実はこの背景に鉄不足がある方は意外と多いんです。
最後に
隠れ貧血は、放置されがちな体のサインです。
元八事ファミリー内科クリニックでは、一般内科の診療の中で鉄欠乏の検査や治療も行っています。
「疲れやすいだけだから…」と我慢している方。
その不調、体からのサインかもしれません。
気になる症状があれば、どうぞ気軽に名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックまでご相談ください。
記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)
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