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ブログ

温泉やサウナって本当に身体に良いの?

日常のつぶやき

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
この連休中休みを利用して、とある温泉に行ってきました。

温泉の湯に浸かりながら、「温泉やサウナって、医学的にどんな良いことがあるのか、わかりやすく伝えれたらいいな…」と考えていました。そんな思いもあって、今日は医師としての視点と、実際に温泉に入って感じた“リアルな体感”の両方をまじえながら、温泉・サウナの医学的な効能をお話ししていきたいと思います。

温泉・サウナの効果は「なんとなく気持ちいい」で終わらない

「温泉に入ると肩こりが軽くなる」「サウナに入ると夜ぐっすり眠れる」といった声をよく聞きます。
実はこれ、気分的なものではなく、科学的にも説明がつく変化なんです。

 

温泉の医学的効能

① 血流が良くなることで疲労物質が流れやすくなる

温泉で身体が温まると、血管がふわっと広がり血の巡りが良くなります。
実際に、「最近疲れが取れにくい」と訴える患者さんの多くが、末梢の血流(手足の先の血流)が悪くなっていることがよくあります。

血流が良くなると、疲労の原因になる乳酸(筋肉が疲れたときにたまる物質)などが流れやすくなり、結果として疲れが抜けやすくなるんです。

特に高齢の方や普段運動が少ない方は、この温熱効果を実感しやすい傾向があります。

② 自律神経が整い、ぐっすり眠れる

温泉に入った日の夜に「いつもより眠れた」という声は非常に多いです。
理由は、深部体温(身体の中の温度)が一度上がったあとにスッと下がると、睡眠に入りやすくなるからです。

さらに、温泉の静かな環境や独特の香り(硫黄の香りなど)がリラックス作用を高め、副交感神経(身体を休ませる神経)が優位になることで、より眠りの質が良くなることが期待できるかと思います。

③ 痛みやこわばりの軽減

慢性的な肩こりや腰痛を抱える患者さんはとても多いですが、温泉で温まると筋肉の緊張が和らぎ、痛みが軽くなることがあります。
特に、筋膜(筋肉を包む膜)が硬くなる“筋膜性疼痛”の方には効果が出やすい印象です。

リハビリを併用するとさらに効果的ですが、まず「温まる」だけでも変化が出る方は多いんです。

サウナの医学的効能

① 交代浴で自律神経が整う

サウナ→水風呂→外気浴という流れ(いわゆる“ととのう”)は、医学的にも理にかなっているそうです。

サウナで身体が温まる
→ 血管が広がる
→ 水風呂で血管がキュッと締まる
→ 外気浴でゆっくり戻る

この変化が自律神経の調整に働き、気分がスッキリしたり、集中力が上がったりすることがあります。

② 心肺機能の負担軽減(正しく入れば)

蒸気による湿度の高い空気は、気道(空気の通り道)を潤し、痰(たん)が切れやすくなることがあります。
喘息や気道過敏の患者さんでも、無理のない温度帯・短時間であれば良い影響が出るケースがあります。

ただし、心疾患のある方や脱水気味の方はリスクもあるので、基礎疾患がある方は、一度医師に相談してもらうことをお勧めはします。

③ むくみ改善とデトックス感

サウナでは大量の汗をかきますが、汗と一緒にナトリウム(塩分)が出ていくため、むくみが軽くなることがあります。
医学的には“デトックス”という言葉は曖昧ですが、むくみが改善して全身が軽くなる感覚は多くの方が実感されています。

 

温泉・サウナを安全に楽しむために
医師としてお伝えしたいこと

① 入浴前後の水分補給は必須

脱水状態で温泉やサウナに入ると、血圧が急に下がったり、脈が早くなったりして危険です。
コーヒーやお茶ではなく「水」や「電解質(塩分などを含む水分)」を取ることをおすすめしています。

② 高温に長く入りすぎない

サウナで「我慢比べ」をしてしまう方がいますが、医学的に得することは何もありません。
「気持ちいい範囲」「息が苦しくない範囲」を守ってサウナを楽しんでもらうといいと思います。

③ 持病がある方は事前に相談を

以下に当てはまる方は、温泉・サウナの入り方を調整する必要があります。

心臓病

高血圧

不整脈

脱水を起こしやすい方

重い呼吸器疾患のある方

温泉もサウナも
「上手に使えば健康の強い味方」

温泉やサウナは、正しく使えば身体の回復力をぐっと高めてくれる力を持っています。
外来でも「最近疲れが取れない」「眠りが浅い」「ストレスが溜まっている」と訴える患者さんが多い中で、生活に取り入れる価値は十分あると感じています。

もちろん持病の有無や体調によって適切な入り方は変わりますので、気になることがあればいつでも相談してくださいね。