インフルエンザ迅速検査ってどれくらい信頼できるの?

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
今年の冬は、例年にも増してインフルエンザ患者が増えています。インフルエンザは基本的には「抗原検査」というもので検査をするのですが、この検査はどのくらい信頼性があるのか、疑問に思うことも多いですよね!?
そこで今回のブログでは、インフルエンザ迅速検査の“信頼性”について、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思います。

迅速検査はどういう仕組み?
鼻の奥をこする理由は「ウイルスが集まっているから」
インフルエンザの迅速検査は、細い綿棒で鼻の奥を少し刺激して、そこに含まれるウイルスの一部を取り出す検査になります。
ウイルスの“カケラ”がついていれば、それを検査キットが反応して、線が出る仕組みになっているんです。この迅速抗原検査というものは、導入されてから20年以上たち、今では全国どこでも使われています。10分たらずで結果が出るのが最大の特徴になります。
迅速検査の一番のメリットは「スピード」
実際のところ、クリニックで診療をしていても、検査結果が出るまでのスピードはかなり助かります。
5~15分で結果が分かるので、診察中に治療方針を決めやすいんです。
特にインフルエンザ薬は 発症から48時間以内 に飲み始めると効果が大きく変わります。
そのため、すぐに診断ができる迅速検査は、治療を早期に始めるための強い味方になるんです。
迅速検査には“限界”がある
最も重要なのは「感度」という問題
陰性でもインフルエンザのことがある理由
患者さんが一番誤解しやすいのは、「陰性=インフルエンザではない」と思ってしまうことです。
医師としては、これは本当に誤解をしてほしくないポイントになります。
迅速検査の感度(ウイルスを見つける力)は 50~70%程度。
つまり、インフルエンザにかかっていても 3割くらいの人は陰性になってしまう 可能性があるんです。
発症してすぐの検査ではさらに当たりにくい
特に注意が必要なのが “検査のタイミング” です。
● 発症から12時間以内
● 熱が出始めて数時間しかたっていない
● 寒気だけでまだ高熱が出ていない
このような段階ではウイルス量が少ないため、感度は 30%台 まで落ちると言われています。
実際、クリニックにおいても「朝から熱が出てすぐ来ました」といった患者さんでは陰性がかなり多い印象です。それでも翌日改めて検査すると陽性になることがよくあることなんです。
それでは、陰性はどう解釈すべき?
私が診療で考えていること
陽性はほぼ確実、しかし陰性は“参考程度”
● 陽性 → ほぼ間違いなくインフルエンザ
● 陰性 → インフルエンザではないという証明ではない
この考え方がとても大切になります。
厚生労働省も「陰性証明書には医学的意味がない」と明言しています。
ですので、職場などで「インフルエンザではない証明が必要」と言われても、医学的にはその要求自体が正しくないんです。
迅速検査の検査結果だけで判断しません
元八事ファミリー内科クリニックでは、以下を総合的に組み合わせて診断します。
発熱の出方(急に38度以上になったか)
寒気・関節痛・頭痛などの典型症状
周囲の流行状況
家族や職場にインフルエンザの人がいるか(これは特に大事です!)
迅速検査の結果
たとえ陰性であっても、症状や流行状況が“あまりにも典型的”な場合は、臨床的にインフルエンザと判断して治療を開始することもあります(みなし陽性と判断します)
これは当クリニックだけでなく、多くの経験ある内科医が同じ方針を取っています。
患者さんからよくある相談と
その回答
「熱が出たばかりだけど、検査したほうがいいですか?」
正直に言うと、発症直後の検査は当たりにくいのでおすすめはしません。
ただし、高齢の方、持病がある方、小さな子どもなど、早く診断して治療したい状況もあると思うので、当院では検査をどのタイミングでするのか相談しながら行うようにしています。
「陰性でしたが、すごくつらいです」
陰性でもインフルエンザのことがよくあります。
特に流行ピークの時期は、症状だけでインフルエンザを疑うケースがかなり多いです。
そんなときは、検査結果にこだわらず、症状と経過、体力、持病などを総合して治療方法を提案していきます。
迅速検査は“診断のアシスタント”
迅速検査は、インフルエンザの診断をするために必要な検査ですが、「結果がすべて」ではありません。
なので、迅速検査の結果を踏まえてになりますが、普段の診療では必ず、
● なぜその判断をするのか
● どういう症状に注意すればいいか
● いつ再受診すべきか
これらをできるだけ丁寧に説明するようにしています。
つらい発熱や悪寒があれば
早めにご相談ください
インフルエンザは早めの対応がとても重要です。
「検査を迷っている」「これってただの風邪?」という段階でも、ぜひ遠慮なくご相談ください。
元八事ファミリー内科クリニックでは、発熱患者に対しても常に対応をさせていただきますので、熱が出てきた、症状がつらくてえらい、などの症状があれば、遠慮なく受診しておっしゃってください。
記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)
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