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ブログ

花粉症の薬の使い分け

花粉症、アレルギー

 

 

花粉症に「正解の薬」はひとつじゃない

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。

みなさんは「春」と聞いて、どんな景色を思い浮かべるでしょうか。
桜が咲き、新しい生活が始まり、空気が少しやわらぐ季節。
そんな明るいイメージを持つ方も多いと思います。

その一方で、春を手放しで喜べない方がいるのも事実です。

原因は、そう——花粉症。

目がかゆい。
鼻水が止まらない。
夜、鼻が詰まって息苦しく、よく眠れない。

「春になると、毎年つらいんです」
このように思っている人も多いのではないでしょうか。

花粉症は、決して一つの治療法だけで対処する病気ではありません。
症状の出方や生活スタイルによって、選ぶべき治療は変わります。

そこで今回のブログでは、
花粉症治療薬の考え方と、その使い分けについて、できるだけわかりやすくお話ししてみたいと思います。

花粉症治療の出発点は「避ける」こと

これは何度でも伝えたい基本です。
薬の前に、まず花粉を体に入れない工夫。

マスク。
メガネ。
帰宅後すぐの洗顔とうがい。

これだけで症状が半分以下になる方も珍しくありません。

とはいえ。
春にずっと家にこもるわけにもいきませんよね。
仕事もあるし、外にも出たい。

そこで、次の一手となるのが、「薬」という選択肢です。

まず使うのは抗ヒスタミン薬

いわゆる「花粉症の飲み薬」

アレジオン、アレグラ、クラリチン。
名前を聞いたことがある方、多いと思います。

これらはヒスタミンH1受容体拮抗薬と呼ばれる種類の薬です。
アレルギー反応の中心にあるヒスタミン(炎症を起こす物質)の働きを抑える薬です。

花粉が体に入る
→ ヒスタミンが出る
→ 鼻水・くしゃみ・目のかゆみが起きる

この流れを、最初の段階で止める役割を果たしています。

「眠くなるのが困る」問題の正体

「花粉症の薬って眠くなるから…」
このように感じる方も、少なくないと思います。

これは気のせいではありません。
古いタイプの抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンだけでなく、脳の神経の働きにも関わる受容体まで一緒に抑えてしまうんです。

その結果、
・眠気
・ぼーっとする
・集中力が落ちる
といった症状が出やすくなってしまうんです。

眠くなりにくい薬は選べます

現在よく使われる第2世代抗ヒスタミン薬は、この点が大きく改良されています。

特に、
ビラノア
アレグラ
クラリチン
デザレックス

これらは脳に入りにくい設計で、車の運転制限もありません。
日常生活への影響が少なく、効果も十分期待できることが多いです。

 

それでも鼻づまりが強い場合

抗ヒスタミン薬だけで足りないとき

「くしゃみや鼻水はいい。でも、とにかく鼻が詰まる」
こういう方、実はとても多いです。

その場合に考えるのがロイコトリエン受容体拮抗薬
代表がモンテルカスト(シングレア/キプレス)です。

鼻粘膜の充血を起こす別ルートの炎症を抑え、
特に鼻づまりに強く効果が期待できます。

点鼻薬・点眼薬という選択肢

局所で効く、頼もしい薬

点鼻薬では、ステロイド点鼻薬が主役です。
名前で不安になる方もいますが、鼻の中だけに作用し、全身の副作用はほぼ問題になりません。

鼻づまりに対する効果も十分期待できます。

点眼薬は抗ヒスタミン薬入りが中心。
目のかゆみには、飲み薬より即効性があります。

それでもつらい「重症花粉症」

一日中鼻が詰まる。
鼻をかむ回数が1日20回を超える。
夜も眠れない。

ガイドライン上、これだけで最重症に分類されます。

 

さらに先の選択肢もあります

飲み薬や点鼻薬をしっかり使っても、どうしても症状がつらい方もいらっしゃいます。
そうした場合には、次の段階の治療を考えることもあります。

ひとつは舌下免疫療法
毎日少量のアレルゲンを体に慣らしていく治療で、時間はかかりますが、花粉症そのものを軽くしていく効果が期待されます。

(スギ花粉の舌下免疫療法を希望される方は、スギ花粉の飛散がなくなった6月くらいから開始することが望ましいです)

もうひとつが、**生物学的製剤(オマリズマブ)**です。
重症の花粉症に対して使われる注射の治療で、アレルギー反応の根本部分を抑える働きがあります。

すべての方に必要な治療ではありませんが、
症状の強さやこれまでの治療経過によっては、こうした選択肢が視野に入ることもあります。
「ここまでつらいのは自分だけかも」と我慢せず、一度相談してみてください。

 

最後に

名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックでは、花粉症の症状や生活背景に合わせて、お一人おひとりに合った治療の選択肢を一緒に考えています。
花粉症でお困りのことがあれば、どうぞ気負わずに、元八事ファミリー内科クリニックまでご相談ください。

粉症でお困りの方は、ぜひ一度元八事ファミリー内科クリニックにまで、ご相談いただければと思います。

記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)

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