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子供が花粉症かどうかの見極め方

小児  / 花粉症、アレルギー

 

 

子供が花粉症かどうかの見極め方

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。

「風邪は治ったはずなのに、鼻水だけずっと続くんです」
「毎年この時期になると、目をこすってばかりで…」

お子さんの様子を見ていて、こんな違和感を覚えたことはありませんか。

近年、子供の花粉症は確実に増えています。

最新の全国疫学調査に基づく『鼻アレルギー診療ガイドライン2024年版』では、小児のアレルギー性鼻炎(花粉症を含む)の有病率は引き続き高い水準にあると報告されています。学童期(おおよそ6〜12歳)で約30%前後、10代では40%前後が何らかのアレルギー性鼻炎を有するというデータが示されており、決して珍しい病気ではないんです。

また、近年では低年齢化も指摘されており、就学前から症状を認めるケースも増えてきているんです。

でも、「風邪との違いが分からない」。そこが一番の悩みどころですよね。

そこで今回のブログでは、子供が花粉症かどうかの見極め方について、書いてみたいと思います。

 

子供の花粉症の症状|まず注目するポイント

① 鼻水の状態を見る

風邪の鼻水は、はじめは透明でも数日すると黄色く粘り気が出てくることが多いです。
一方、花粉症の鼻水は透明でサラサラ。水のように流れます。

さらに、くしゃみが連続して出るのも特徴です。特に朝や外出時に強く出ることが多い。

子供では「鼻づまり」が目立ちます。
子供の鼻はもともと狭く、粘膜が少し腫れるだけで空気の通り道がふさがれてしまうんです。

夜中に何度も起きる。
口を開けて寝ている。
いびきをかく。

これらは鼻づまりのサインかもしれません。

② 目や皮膚のかゆみがあるか

花粉症はアレルギー性炎症です。ヒスタミンという物質が放出され、かゆみを引き起こします。

  • 目をしきりにこする
  • まぶたが腫れぼったい
  • 白目が赤い
  • 喉のイガイガがある

目のかゆみは風邪ではほとんど見られません。ここは重要な違いです。

③ 発熱の有無

花粉症で高熱が出ることは基本的にありません。
38℃以上の発熱が続く場合は感染症を疑います。

 

 

 

子供の花粉症と風邪の違い

項目 花粉症 風邪
鼻水 透明・サラサラ 黄色・粘りっこい
目のかゆみ 強い ほぼない
発熱 ほぼない あり
期間 花粉の飛散期間中続く 1週間前後

特に「毎年同じ時期に出る」場合には、花粉症の可能性が高いと考えてもらうといいと思います。


なぜ子供の花粉症は増えているのか

原因は一つではありません。

一つは、スギ花粉の飛散量が年によって増えていることです。
都市部での生活環境の変化。そして、アレルギー体質を持つ子どもそのものが増えていること。

こうした複数の要素が重なり合っています。

さらに大切なのは、「鼻だけの病気ではない」という視点です。

『Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma(ARIA 2020 Update)』では、アレルギー性鼻炎は単なる鼻のトラブルではなく、下気道(気管支)まで連続した炎症として捉えるべきだと示されています。いわゆる “one airway, one disease(上気道と下気道はひとつの臓器としてとらえるべきという概念) という考え方です。

実際、アレルギー性鼻炎を持つ子どもは、将来的に喘息を発症するリスクが高いことが報告されています。また、すでに喘息がある場合、鼻炎のコントロールが不十分だと喘息症状も不安定になりやすい。鼻と気管支は、別々の臓器のようでいて、つながっているんです。

そしてもう一つ見逃せないのが睡眠への影響です。

鼻閉(鼻づまり)が続くと、眠りが浅くなります。夜中に何度も目が覚めることもある。結果として、日中の眠気や集中力の低下につながります。学習効率の低下との関連も複数の研究で示されています。

Allergic rhinitis and impairment issues in schoolchildren: a consensus report.

Curr Med Res Opin. 2004 Dec;20(12):1937-52.

「たかが鼻炎」と思われがちですが、子供の生活の質にも確実に影響を及ぼすんです。

だからこそ、症状をきちんと評価し、必要な治療を行っていくことが大切になってくるんです。

 

クリニックでの診断方法

まず何よりも大切なのは、症状の出方とその経過です。
いつから始まったのか、季節との関係はあるか、毎年同じ時期に繰り返していないか――こうした情報が診断の軸になります。

そのうえで、必要がある場合には血液検査を行い、スギやダニなどに対するアレルギー反応の有無を確認していくこともあります。

症状と検査結果をあわせて、総合的に判断していきます。

 

治療について

  • 抗ヒスタミン薬
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬
  • 点鼻ステロイド
  • 点眼薬

近年の第二世代抗ヒスタミン薬は眠気が少なく、安全性も高いと報告されています。

スギ花粉に対しては、症状を抑える治療に加えて、体質改善を目指す舌下免疫療法という選択肢もあります。

ただし、この治療は花粉が飛んでいる時期には開始できません。スギ花粉の飛散が落ち着いた5~6月頃から開始する必要があります。
適切なタイミングで計画的に始めることが大切です。

 
 

最後に

子どもの花粉症は、命に関わる病気ではないかもしれません。
ですが、毎日の眠りや集中力、学校生活にまで影響し、生活の質を大きく下げてしまうことがあります。

「もしかして花粉症かな?」
そう感じたときは、そのままにせず、名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックまで一度ご相談いただければと思います。

記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)

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