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肥満症は治療する時代に|腹囲・身長比が0.5を超えたら危険?

肥満外来、メディカルダイエット

肥満症は「気をつける」から「治療する」時代へ

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
現在の医療では、肥満は単なる生活習慣の問題ではなく、 治療の対象となる病気(肥満症)として考えられています。

その中で、近年とくに注目されているのが 腹囲・身長比(WHtR:Waist to Height Ratio)という指標です。 見た目や体重だけでは分かりにくい「体の中のリスク」を、 とてもシンプルに評価できる方法として、医療現場でも活用が広がっています。

そこで今回のブログでは、このWHtRという指標について、説明をしていきたいと思います。

腹囲・身長比(WHtR)とは?

WHtRは次の計算式で求めます。

腹囲(cm) ÷ 身長(cm)

例えば、身長170cm・腹囲85cmの場合、
85 ÷ 170 = 0.5 となります。

この「0.5」が、健康リスクを考えるうえで 非常に重要な目安になります。

BMIよりWHtRが重視される理由

BMIは広く使われてきた指標ですが、 筋肉量が多い方でも高く出てしまったり、 お腹に脂肪が集中するタイプを見逃しやすいという弱点があります。

一方、WHtRは内臓脂肪の蓄積をより正確に反映します。 内臓脂肪は、気づかないうちに血管や臓器を傷つけていくため、 WHtRが重要視されているのです。

WHtR「0.5ルール」を裏づける医学的エビデンス

WHtRが注目されるようになった背景には、 2012年に発表された30万人以上を対象とした大規模メタ解析があります。

この解析では、 WHtRはBMIよりも心血管疾患リスクを正確に予測し、 0.5を超えると心血管病や糖尿病の発症が有意に増加することが示されました。 この結果から、現在では「WHtR 0.5ルール」が推奨されるようになったです。

Ashwell M, Gunn P, Gibson S.
Waist-to-height ratio is a better screening tool than waist circumference and BMI for adult cardiometabolic risk factors: systematic review and meta-analysis.
Obesity Reviews. 2012;13(3):275–286.

 

WHtRが0.5を超えると体の中で起きていること

WHtRが0.5を超えている状態は、 見た目以上に体の中でリスクが進行している可能性があります。

内臓脂肪が増えると、脂肪細胞から炎症物質が放出され、 血管の内側を少しずつ傷つけていきます。 その結果、

  • 動脈硬化
  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂肪肝
  • 心筋梗塞・脳梗塞

といった病気につながっていきます。 症状が出たときには、すでに進行しているケースも少なくありません。

研究から分かっている具体的なリスク

★韓国の大規模研究では、WHtRが高いほど 頸動脈プラーク(動脈硬化の指標)が増加することが示されています。

Kim S-K, Choi Y-J, Huh B-W, et al.
Ratio of waist-to-calf circumference and carotid atherosclerosis in Korean patients with type 2 diabetes.
Diabetes Care. 2011;34(9):2067–2071.

★また、中国の前向き研究では、 WHtRが0.5以上の方は糖尿病発症リスクが約2倍に上昇するという報告がなされています。

Son Y-J, Lee J.
Association of Waist-Height Ratio with Diabetes Risk.
Endocrinol Metab (Seoul). 2016;31(1):127–133.

★英国の研究では、心筋梗塞や脳卒中と 最も強く関連していた指標がWHtRであったと報告されています。
Feng Q, Bešević J, Conroy M, et al.
Waist-to-height ratio and body fat percentage as risk factors for ischemic cardiovascular disease: a prospective cohort study from UK Biobank.
Circulation or related journal (UK Biobank). 2024.

WHtRが0.5以上の方にみられやすいサイン

  • 健診で腹囲や脂質異常を指摘される
  • 食後の強い眠気
  • 階段での息切れ
  • 疲れやすさ
  • 動悸や胸の圧迫感
  • 肝機能異常(脂肪肝)

これらはいずれも内臓脂肪の増加と関連することが報告されています。 当てはまる項目がある方は、一度当院へぜひご相談ください。

肥満症は、評価して治療する病気です

当院では、肥満外来(メディカルダイエット)を自費診療で行っています。 すべての方に治療が必要なわけではありませんが、 WHtRが0.5を超えている方は、 一度医学的な視点で評価する価値があると考えています。

医学的ダイエットという選択肢

生活習慣の改善だけでは難しい場合、 医学的根拠に基づいた薬物療法を提案することもあります。

GLP-1受容体作動薬(マンジャロ・リベルサスなど)

  • 食欲を自然に抑える
  • 内臓脂肪を減らす
  • 血糖や心血管リスクの改善が期待できる

「薬に頼るのが不安」という方もいらっしゃいますが、 自己流で遠回りするより、医学を上手に使うという考え方も大切です。

 

最後に

名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックでは、肥満外来(メディカルダイエット)も行っています。
今回説明した腹囲・身長比(WHtR:Waist to Height Ratio)が0.5を超えている方については、このメディカルダイエットを検討されてもいいかと思います。気になる方は、ぜひ一度元八事ファミリー内科クリニックまでご相談いただければと思います。

記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)

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