新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®」
5年ごとの再接種が不要に
新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®」で
生涯の肺炎予防を考える
こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
みなさんは、「肺炎球菌ワクチン」と聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか。
これまで主に使われてきたのは、ニューモバックス® というワクチンです。
名前を聞いたことがある、実際に接種したことがある、という方も多いかもしれません。
このニューモバックス®は、とても優れたワクチンです。ただ一方で、時間が経つと免疫が少しずつ弱くなり、5年ごとの再接種が必要 という特徴がありました。
そんなこれまでの常識を大きく変えるワクチンが、2025年10月に登場しました。
それが、新しい肺炎球菌ワクチン 「キャップバックス®」 です。
そこで今回のブログでは、このキャップバックス®がどんなワクチンなのか、従来のワクチンと何が違うのかを、できるだけ分かりやすくお話ししていきたいと思います。
肺炎という病気は
決して他人事ではありません
肺炎と聞くと、「高齢になってからの病気」「風邪をこじらせた延長」
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
でも、実際の数字を見ると印象は大きく変わります。
厚生労働省の統計では、肺炎は日本人の死因の第5位。
さらに誤嚥性肺炎(食べ物や唾液が気道に入って起こる肺炎)を含めると、上位を占めています。
そして、肺炎で亡くなる方のほぼ98%が65歳以上です。
「年だから仕方ない」
そう片づけてしまうには、あまりにも重い現実があるんです。
特に注意が必要な方
特に注意が必要なのが、
脳卒中後、パーキンソン病、認知症、慢性の肺疾患(COPDや喘息など)をお持ちの方です。
肺炎は治療よりも予防が何より大切です。
その中心にあるのが、肺炎球菌ワクチンなんです。
肺炎の原因で一番多い「肺炎球菌」
肺炎の原因にはウイルスや細菌がありますが、
成人の市中肺炎(病院の外でかかる肺炎)で最も多い原因菌が肺炎球菌です。
全体の約3割。
決して珍しい菌ではありません。
肺炎球菌にはたくさんの型(血清型)があり、重症化しやすい型はある程度決まっています。
肺炎球菌ワクチンとは、
「重症化しやすい型を、先に体に覚えさせておく注射」
そう考えてもらうと分かりやすいと思います。
キャップバックス®は
「大人のため」に作られたワクチン
従来のワクチンとの決定的な違い
これまで広く使われてきたのが、ニューモバックス®です。
これは多糖体ワクチンと呼ばれ、効果が約5年で弱くなるため、5年ごとの再接種が必要でした。
「いつ打ったか忘れてしまった」
「次は何年後でしたっけ?」
そんな声が多かったのも、無理はありません。
一方、キャップバックス®は結合型ワクチン。
体が長く覚えていられる仕組みになっています。
免疫記憶(体が菌を覚えておく力)がしっかり作られるため、
基本的に追加接種は不要なんです。
ここが最大のポイントです。
カバー率が大きく違います
キャップバックス®は21価肺炎球菌結合型ワクチンです。
日本の成人データをもとに、重症化しやすい型を厳選しています。
その結果、日本人成人の侵襲性肺炎球菌感染症を約80%以上カバー。
従来ワクチンより、実質的な予防力は高くなっています。
「もうニューモバックス®を打ったから大丈夫?」
という誤解
外来でとても多いのが、
「数年前にニューモバックス®を打ったから、もう安心ですよね?」という声です。
実は、そうとは言い切れません。
ニューモバックス®の効果は時間とともに弱くなり、免疫記憶はほとんど残りません。
現在の専門家の考え方では、
ニューモバックス®接種後1年以上経過していれば、キャップバックス®の追加接種が勧められています。
これにより、高いカバー率と長期間続く免疫、その両方を得ることができます。
特に接種を考えてほしい方
キャップバックス®は50歳以上が対象ですが、特に次のような方には積極的にお話ししています。
- 65歳以上の方
- 喘息・COPDなどの慢性呼吸器疾患
- 心臓病、糖尿病、腎臓病
- 脳卒中後、パーキンソン病、認知症
- ステロイドや抗がん剤を使用中の方
共通しているのは、肺炎にかかったときに重症化しやすいという点です。
副反応が心配な方へ
新しいワクチンと聞くと、不安になりますよね。
主な副反応は、注射部位の痛み、軽いだるさ、頭痛など。
ほとんどが1~2日で自然に軽くなります。
元八事ファミリー内科クリニックでの接種について
元八事ファミリー内科クリニックでは、キャップバックス®の接種を受け付けています。基本的に事前予約をいただいています。予約が確認できた段階で、ワクチンの発注をかけていきます。
肺炎は、防げる病気です
元八事ファミリー内科クリニックでは、肺炎球菌ワクチンをはじめとして、各種ワクチン接種にも対応しています。
この新しいキャップバックスをはじめ、ワクチン接種をご希望の方は
ぜひ一度名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックまで
お問い合わせください。
記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)
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