風疹抗体検査は受けるべき?
風疹抗体検査は受けるべき?
妊娠を考えたときに知っておきたい本当の話
こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
風疹(ふうしん)は、大人が感染すると軽い発熱や発疹だけで終わることもあります。数日で落ち着き、「思ったより大したことなかった」と感じる方もいると思います。
けれど、妊娠初期の感染だけは意味がまったく違うんです。
私は感染症の予防こそが“未来の健康”を守る医療だと強く感じています。症状が出てから治す医療も大事。でも、その前に防げるものは防ぎたいと思っています。
名古屋市には幸い、風疹抗体検査の助成制度があります。この制度をきちんと知り、正しく活用することが、将来の妊娠を守ることにつながります。
そこで今回は、「風疹抗体検査は受けるべきか?」というテーマについて、書いてみたいと思います。
風疹とは?妊娠とどう関係するのか
風疹はウイルス感染症です。主な症状は発熱、発疹、リンパ節の腫れ。
大人では症状が軽く、「気づかないうちに感染していた」ということもあります。
問題は妊娠初期の感染です。
妊娠20週頃までに感染すると、赤ちゃんに影響が出ることがあるんです。
これを先天性風疹症候群といいます。難聴、白内障、心臓の異常などを引き起こす可能性がある状態です。
2012~2013年の国内流行では、成人男性を中心に感染が広がり、先天性風疹症候群の報告が増えたことがありました。国立感染症研究所のデータでも明らかな事実です。
予防できる感染症で、取り返しのつかない影響が起こることがあり得る。
だからこそ、抗体検査が重要なんです。
風疹抗体検査とは?何がわかるのか
風疹抗体検査は、採血で「風疹に対する免疫(体がウイルスと戦う力)がどの程度あるか」を数値で確認する検査です。
過去にワクチンを受けていても、十分な抗体が保たれていないことがあります。見た目や自覚症状では判断できません。だからこそ、血液で確かめる意味があるんです。
もし抗体の値が基準より低ければ、妊娠前にワクチン接種を検討します。ここで備えておくことが大切です。
世界保健機関(WHO)や日本産科婦人科学会も、妊娠前の抗体確認を推奨しています。妊娠が分かってからでは選択肢が限られてしまうからです。
妊娠前に抗体を確認すること。これは日本だけの考えではなく、世界的にも標準とされている予防医療なんです。
名古屋市の風疹・麻しん抗体検査の助成制度
名古屋市では、妊娠を希望する女性とそのパートナー、同居家族を対象に、風疹および麻しんの抗体検査と予防接種の費用助成を行っています。
対象となる方
- 名古屋市に住民登録がある
- 妊娠を希望する女性、またはそのパートナー・同居人
- 過去に抗体検査を受けていない、ワクチン2回接種歴がない、罹患歴がない
まず抗体検査を行い、免疫が不十分であれば麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)を接種します。
「自分は対象外だと思っていた」という方も少なくありません。一度ぜひ確認してみてください。
受けるべき人は?チェックしてほしいポイント
- 妊娠を考えている
- パートナーが妊娠を希望している
- ワクチン歴があいまい
- 昭和世代で定期接種の機会が少なかった男性
「子どもの頃に打ったはず」という記憶は、案外あいまいです。
母子手帳が手元にないことも多いですよね。
抗体検査は採血のみ。体への負担はごくわずかです。
よくある誤解
昔かかった気がするから大丈夫?
自己判断は危険です。風疹に似た発疹性疾患は他にもあります。抗体検査で確認するのが確実です。
妊娠してから検査すればいい?
妊娠中は生ワクチン(弱毒化したウイルスを使うワクチン)を接種できません。
妊娠前に備えることが大切です。
男性は関係ない?
パートナーが感染源になることがあります。2013年の流行時も成人男性の感染が多く報告されました。
抗体が低かった場合の対応(予防接種)
抗体が不十分な場合、MRワクチン接種を行います。
麻しんも妊娠中に重症化や流産リスクが指摘されており、「Measles in pregnancy(Clinical Infectious Diseases)」でもリスク上昇が報告されています。
接種後は約2か月間の避妊が必要です。ここは重要なポイントです。
元八事ファミリー内科クリニックでの対応
名古屋市天白区の元八事ファミリー内科クリニックでは、風疹抗体検査・麻しん抗体検査の助成制度に対応しています。
名古屋市の助成事業としての風疹抗体検査を希望される方は、ぜひ一度当院にまでご相談ください。
記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)
院長のプロフィールはこちらから
