ノロウイルスのシーズン!見落としがちなのは「スマホの画面」
こんにちは。
元八事ファミリー内科クリニックの院長の浅野です。
寒さが深まりつつこの季節、毎年のように徐々に増えてくるのが「ノロウイルス感染症」です。ノロウイルスは、嘔吐や下痢を起こすウイルスの一種で、特に冬場は患者さんが一気に増えます。
ただ、患者さんとお話していると、「食べ物には気をつけていたのに、なぜ感染したのかわからない」という声をよく聞きます。
その原因のひとつとして、意外と見落とされがちなのが、実はスマートフォンの画面だったりするんです。
ノロウイルスはどんなウイルス?
ノロウイルスは、非常に感染力が強いウイルスです。たった数十個のウイルスが体に入るだけで感染が成立するといわれています。
主な症状は、おう吐、下痢、腹痛、発熱。特に小さな子どもや高齢の方では、ノロウイルスに感染して胃腸炎を発症すると、脱水症状を起こしやすいため注意が必要です。ノロウイルスには特効薬がなく、症状に応じた対症療法(症状をやわらげる治療)が中心になります。そのため、感染を防ぐことが最も大切なんです。
感染源は食べ物だけではない!
多くの人が「ノロウイルス=食中毒」と思いがちですが、実際には人から人へ広がるケースも多いんです。
おう吐物の処理の際に飛び散ったウイルスを吸い込んだり、トイレのあとに手洗いが不十分だった人がドアノブやタオルを触ったりすると、そこからどんどん感染が広がっていきます。
盲点は「スマホ」!毎日触るものが感染の温床に
私が意外な盲点だと思っているのが、「スマートフォンの汚れ」です。
外出中にスマホを操作し、電車のつり革やドアノブを触った手でまたスマホを触る――この動作を、ほとんどの人は一日に何度も繰り返しています。
ある調査では、スマホの画面にはトイレの便座より多くの細菌やウイルスが付着しているという報告もあります。ノロウイルスのような強力なウイルスは、乾燥した表面でも数日~数週間生き続けるため、画面を介して口元や食べ物に移る危険があるんです。
特に注意したいのは、
・食事中にスマホを触る
・調理中にレシピを見るためにスマホを操作する
といったシーンです。せっかく丁寧に手を洗っても、画面に残ったウイルスが手に再び移り、そこから感染してしまうこともあるので、注意が必要なんです。
ノロウイルス対策の基本3ステップ
① 手洗いを「2回」しっかりと
流水とせっけんで、30秒以上を目安にしっかりと洗いましょう。
厚生労働省も「2回洗い」を推奨しています。1回目で汚れを浮かせ、2回目で流しきるイメージです。爪の間や指の間も忘れずに。
また、手を洗ったあとはスマホに触らないようにすることも大切です。
② 調理は「中心温度85~90℃で90秒以上」加熱
ノロウイルスは熱に強いため、一般的な加熱では死滅しません。
生ガキなど二枚貝を食べる際は特に注意し、中心部までしっかり加熱してください。
③ アルコールではなく「次亜塩素酸ナトリウム」で消毒を
ノロウイルスはアルコールでは効果が弱いです。
家庭用の塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を薄めて使用すると効果的です。
おう吐物の処理時は、使い捨て手袋とマスクを着用し、処理後はしっかり手洗いを行いましょう。
また、スマホの消毒には、アルコール不使用タイプの除菌シートや、機器専用のクリーナーを使うと安心です。
気を付けてほしい、「脱水のサイン」
ノロウイルスによるおう吐・下痢で怖いのは、実は脱水なんです。「水を飲むとまた吐いてしまう」と心配して飲むのを控えてしまい、受診が遅れる方も少なくありません。
唇の乾燥、尿の減少、ぐったりして反応が鈍いなどのサインが見られた場合には、脱水の兆候があると思われますので、早めに医療機関へ受診する必要があります。特に小さな子どもや高齢の方、心臓・腎臓疾患をお持ちの方は重症化しやすいので注意が必要です。
当院では、点滴治療で水分と電解質を補いながら、症状の経過を丁寧に見守っていきたいと思っています。
スマホも「手洗い」の一部と考えましょう
ノロウイルスの感染を防ぐには、手洗い・加熱・消毒の3つが基本ですが、現代では「スマホの清潔管理」も新しい常識になりつつあります。
「手を洗ったから大丈夫」と思っていても、スマホを通じてウイルスが戻ってくる――そんなケースも実は多いと思います。その場合には、日々の習慣を少し変えるだけで、感染リスクを下げることができると思います。。
もしご家庭や職場で嘔吐や下痢が続く方が出た場合は、無理せず早めにご相談ください。
名古屋市天白区(塩釜口駅、八事駅から車で5分)にある元八事ファミリー内科クリニックでは、地域の皆さんが安心して冬を乗り切れるよう、丁寧な診療を心がけていきたいと思っています。
まとめ
- ノロウイルスは冬に多く、感染力が非常に強い
- 食べ物だけでなく、スマホ・ドアノブなどからも感染する
- 手洗い2回、加熱90秒、塩素系消毒が効果的
- スマホの画面も定期的に清潔に保つことが大切
元八事ファミリー内科クリニック(名古屋市天白区の内科・呼吸器内科|元八事・塩釜口)

