その喘息、時間が関係しているかもしれません
喘息は「いつ起こるか」がとても大事なんです

こんにちは。元八事ファミリー内科クリニックの浅野です。
外来で喘息の患者さんとお話ししていると、こんな言葉をよく聞きます。
「昼間はそんなに苦しくないのに、明け方になるとゼーゼーするんです」
「夜中から朝方にかけて、息がしづらくて目が覚めます」
実はこれらの訴えは、喘息ではとても典型的な訴えなんです。
喘息というと、「アレルギー」「炎症」「吸入薬」というイメージが強いかもしれませんが、実は「時間」という視点もとても大切だと感じています。
そこで今回のブログでは、「喘息における時間という考え方」について、まとめてみたいと思います。
喘息は“一日の中で波がある病気”です
喘息は、気道(空気の通り道)に慢性的なアレルギー性の炎症があり、ちょっとした刺激で気道が狭くなりやすくなる病気です。気道が狭くなると咳、息苦しさ、喘鳴などの症状がでるのですが、実はこの状態は一日中ずっと同じ、というわけではありません。
多くの喘息患者さんでは、夜間から早朝にかけて症状が悪化しやすいという特徴があるんです。
「朝方に咳が止まらない」「起きる前後が一番つらい」というのは、決して気のせいではないんです。
普段から喘息患者さんを診ていると、
「日中は吸入薬を使わなくても大丈夫なのに、明け方だけ発作が出る」
「夜中の3〜5時頃に胸が苦しくなる」
というパターンが多いと、日々実感しています。
なぜ早朝に喘息が悪くなりやすいのか
ポイントは「体内時計(生体リズム)」です
私たちの体には、約24時間周期で働く体内時計(生体リズム)があります。
睡眠、体温、ホルモン分泌、自律神経のバランスなどが、このリズムに影響されています。
喘息も例外ではありません。
とある研究において、夜間から早朝にかけて、
- 気道の炎症が強まりやすい
- 気道が狭くなりやすい
- 炎症に関わる細胞(好酸球)が増えやすい
といった変化が起こることが分かっています。
つまり、同じ喘息でも「朝」と「昼」では、体の中の状態が少し違うということなんです。
「夜型」の生活は喘息に影響します
診察をしていると、喘息の方にはいわゆる夜型生活の方が少なくありません。
・寝るのが0時過ぎ
・スマホやテレビを見ながら寝落ちする
・朝食を抜くことが多い
こうした生活リズムです。
最近の研究では、特に女性では、就寝時刻が遅いだけで喘息の発症リスクが高くなることも報告されていたりします。
睡眠時間が足りていても、「寝る時間が遅い」こと自体が影響する、という点が重要です。
外来で「ちゃんと7時間寝てます」と言われても、よくよく聞くと「2時に寝て9時に起きている」というケースもあります。
この場合、体内時計はかなり乱れていることが多いんです。
検査の結果も「時間」で変わることがあります
喘息の検査としてよく行う呼吸機能検査(スパイロメトリー)ですが、これも実は検査をする時間帯で結果が変わることがあります。
午前中のほうが、気道が狭くなっている状態を捉えやすく、
午後になると「思ったより良い数値」が出ることもあるんです。
吸入薬も「いつ使うか」が大切です
時間治療という考え方
喘息治療の基本は、吸入ステロイド薬です。
これは気道の炎症を抑えるお薬で、発作を予防する役割があります。
ここで大事なのが、「何を使うか」だけでなく「いつ使うか」です。
研究では、吸入ステロイドは朝よりも夕方〜夜に使ったほうが効果が高い場合があることが示されています。
夜間〜早朝に悪化しやすい喘息のリズムを考えると、この考え方は理にかなっているんです。
ただし、これは「全員が夜にしたほうがいい」という単純な話ではありません。
症状の出方、生活リズム、使っている薬の種類によって調整が必要なんです。
喘息は「コントロールしていく病気」です
喘息は、きちんと向き合えば、日常生活をほぼ普通に送れる病気です。
そのためには、「症状」や「薬」だけでなく、「時間」や「生活リズム」も含めて考えることが大切なんです。
元八事ファミリー内科クリニックでは、喘息や長引く咳の診療に力を入れています。
咳や息苦しさが長引いている方、
夜間・早朝の症状でお困りの方など、
呼吸器症状でお困りの方は、ぜひ一度ご相談しにきてください。
記事監修:元八事ファミリー内科クリニック 院長 浅野貴光(呼吸器専門医、医学博士)
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